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2020.04.28

シリーズ

女性管理職~それぞれのStory~

COLUMN

360度評価

ひろさんのStory<総合商社バックオフィス担当→営業職→産休→海外駐在→本社営業部門の管理職→産休>

政府は、指導的地位に占める女性比率を高める目標を掲げ、積極的な取り組みを推進しています。この影響もあり、女性管理職を登用する企業が増えました。女性たちにとっても、能力を発揮できるステージに挑戦できることは、やりがいや充足感につながります。

しかし一方で、家庭や育児との両立を懸念する声があるのも事実です。このシリーズでは、不安を抱える女性たちに向けて、実際に管理職に就いた女性のリアルな体験を紹介します。キャリアとプライベートとの間で悩む女性たちが、一歩を踏みだすためのコンテンツを目指しています。

リアルワン株式会社では、「360度評価サービス」を提供し、リーダー育成やマネジメント力の向上に貢献しています。当社は、あらゆる角度からの提案を通して、女性たちが自分らしい働き方を見つけるための支援を行っています。

今回のゲスト:ひろ様(34歳)

プロフィール: 大学卒業後、総合商社に入社。バックオフィス、営業職、海外駐在を経て本社営業部門の管理職に昇進。二度の産休を取得。

【現在の仕事】
営業マネージャー(資源の貿易関連業務)

【これまでのキャリア】
・総合商社に入社(従業員規模3,000人強)
・バックオフィスの仕事を3年、営業職を4年経験→産休
・復職後、米国に4年間駐在
・本社営業部門の管理職に昇進→産休

【目次】
1. 昇進試験に合格して管理職に昇格。裁量労働制により育児は楽になった
2. 仕事上の喜びは増えたものの、家庭との両立における「壁」はそのまま
3. 日本とアメリカでは父親の育児参加の文化が違う
4. 10年後、子供の手が離れたら再度アクセルを踏めばいい
5. 海外のワークライフバランスから学ぶ

Story

1. 昇進試験に合格して管理職に昇格。裁量労働制により育児は楽になった

32歳のときに昇進試験に合格して、管理職に昇格しました。管理職に就いてからは裁量労働制になり、家に仕事を持ち帰ることができるようになったので、子供が体調を崩したときに対応しやすくなりました。また、会議への参加方法を電話会議に変更するなどの希望も通せるので、育児中の私にとっては働きやすくなったと感じています。

その一方で、もともとの営業の仕事にくわえ、採用や評価といった後輩のキャリアに影響を与える人事系の重要業務が増えたため、業務量は増加しています。

管理職になって一番変化したと思うのは、考える力が必要になったことです。言われたことをやるだけではダメで、進むべき方向は自分で考えて示さなければなりません。後輩からの支持や納得感を得られるよう、自分自身の発言や行動に不適切なところはないかという点にも常に気を配るようになりました。
昇進試験に合格して管理職に昇格。裁量労働制により育児は楽になった

2. 仕事上の喜びは増えたものの、家庭との両立における「壁」はそのまま

管理職としての仕事内容は、通常の営業業務のほか、後輩社員の指導と評価、派遣社員の採用、評価などです。また、上長が招集する会議に参加して、その内容を後輩社員にフィードバックするのも重要な役割のひとつです。上長と若手との間には世代間のギャップが生じがちなため、中間管理職である私の伝え方がとても重要になります。じつは、この作業に多くの時間を割かれています。

管理職に就いて良かったと思うのは、機密性の高い情報も得られるようになったこと。指示されたことを遂行するだけでなく、「何をすべきか」を決める戦略会議に参加できるようになったことは、仕事上で得られた大きな喜びです。上司からの信頼も励みになっています。

ただ、管理職に就いてからは、残業や夜の会食、週末をはさんだ出張などの要請が増え、子供がいる私としては両立に悩むことが増えました。会社に求めるのは、ビデオ会議の導入や昼の会食への移行、急な残業や出張には「ノー」といえる雰囲気を浸透させるなど、仕事と家庭との両立ができる環境づくりです。

男性管理職と女性管理職とを分けて考える文化がある点も問題と感じています。たとえば、女性派遣社員の管理は女性管理職が行うなど、女性というだけで任される仕事が一定量あります。こうした不平等を生む差別意識は、今後是正していくべき点だと感じています。

仕事上の喜びは増えたものの、家庭との両立における「壁」はそのまま

3. 日本とアメリカでは父親の育児参加の文化が違う

子供がまだ小さいため、抜けられない会議や出張が入ると、夫とのスケジュール調整が必要になります。夫自身は私のキャリア形成に協力的なのですが、夫の周りには「育児は女性がやるべき」といった旧態依然とした考えを持つ人も多く存在します。そのため、私の仕事の都合が夫にまで影響を及ぼすことにあまり良い顔を見せず、夫に子供の世話をお願いしづらいことがあります。

アメリカに駐在していたときは、父親が育児に参加するのは当たり前だったので、子供も父親が子守りをすることに違和感がないようでした。ですが、帰国してからは、「育児は母親がするもの」という日本の文化が子供にも根付いてしまい、母親を求めることが多くなりました

現在は、両親の都合がよければ両親に預け、無理な場合はベビーシッターに子供の世話を頼んでいます。普段の食事はできるだけ簡単にできるもので済ませていますが、凝った料理は外食で味わわせてあげるようにしています。

今のパワー配分では仕事に50%の時間を取られていますが、理想は40%くらいです。空いた時間は、子供や夫と過ごしたいというのが私の希望です。

図1‗ひろさん‗理想と現実の割合

4. 10年後、子供の手が離れたら再度アクセルを踏めばいい

子育てと管理職の両立は思っていた以上に難しいことでした。後輩の支持を得ながら管理職としての責務を果たすには、自己研鑽にかける時間が必要だと痛感しています。しかし、育児に時間を取られる今の状況では、これ以上の時間を仕事に割くのは現実的に困難です。

まずは職務を確実にこなしつつ、子供と過ごす時間をもっと捻出できる働き方を目指そうと考えています。10年後、子供の手が離れたころに、次なるステップアップを目指して再度アクセルを踏めればいいと割り切れるようになりました。もしも、その時点でキャリアアップできないようであれば、疎まれる管理職になるよりも、50代で潔く引き際を考えたいと思っています。

5. 海外のワークライフバランスから学ぶ

女性が管理職を目指すのであれば、家庭があってもなくても、男性管理職とは違う目で見られることを覚悟する必要があります。日本の社会は残念ながら、まだまだ女性は専業主婦、管理職は男性という前提のもとに役割や期待値が定義されています。女性が管理職に就くうえでは、「そんなことは気にしない!」というくらいの気の強さと割り切りで前進することが求められると思います。

ただ、私自身、家庭との両立においては、子供に対して十分な時間をかけられていない罪悪感や後悔があるのも事実です。パートナーをはじめ、両親、ベビーシッターなどを活用しながら、子育てにもっとも手がかかる10年強をなんとか乗り切っていこうという覚悟は必須となるでしょう。

行き詰まったときには、アメリカやヨーロッパなど、男女の公平性やワークライフバランスへの取り組みが進んでいる国の話を参考にすると励みになります。今の日本はまだ遅れをとっていますが、少しずつ海外の進んだ国に近づいていくと信じることです。また、自分がその一歩を実践しているのだという気概を持っていれば、つらいことにも打ち勝つことができるはずです。同じ悩みを持つ女性として、頑張ってほしいなと思います。

海外のワークライフバランスから学ぶ

まとめ

管理職に就くと、指示を受ける側から「何をやるべきか」を考える側へと立場が変わります。責務は重くなりますが、ひろさんのように、事業や組織を動かしている実感が仕事のやりがいや喜びの源泉となるケースも少なくないでしょう。

一方で、女性管理職がぶつかる壁として、家庭との両立の問題があるのも事実です。海外駐在を経験しているひろさんは、育児文化の違いや男女の公平感について、日本が抱える課題を指摘しています。そのうえで、自らが進化の一歩を実践すべきというメッセージをくれました。現状を打破したい女性たちに、勇気を与えてくれるのではないでしょうか。

 

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