「このやり方で大丈夫なのか……」上司の不安を払拭するフォロー体制が必要 <上司編:サワさん(係長・43歳女性)/人材派遣業・事務職> - 従業員満足度調査・360度評価のリアルワン株式会社 - 人と組織の成長を支援

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2023.02.28

1on1ミーティング『上司の本音・部下の本音』

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「このやり方で大丈夫なのか……」上司の不安を払拭するフォロー体制が必要
<上司編:サワさん(係長・43歳女性)/人材派遣業・事務職>

「1on1ミーティング」は、シリコンバレーの企業が取り組み始めたマネジメント手法です。その効果に注目が集まり日本でも多くの企業が導入していますが、一方で「どのようなやり方が正しいのかわからない」という声も多く聞かれます。

このシリーズでは、実際に1on1ミーティングを行っている上司・部下のリアルなエピソードと本音をお届けします。効果を生み出すための1on1ミーティングのヒントが見つかれば幸いです。

リアルワン株式会社では、組織力強化につながる「360度評価サービス」「従業員満足度調査(ES調査)」を提供しています。従業員一人ひとりが生き生きと活躍できる組織づくりを様々な角度から提案しています。

今回のゲスト:サワさん(係長・女性43歳)

【現在のお仕事】
・人材派遣業(従業員規模:6万人)
・事務職
・勤続年数20年
・管理職経験10年
・部下6名

目次:
1.1on1ミーティングのリアルエピソード
・【1on1ミーティングの始まり】“部下のための時間”という話に共感してスタート
・【実施内容】オンラインで月1回実施
・【1on1ミーティングで話す内容】部下の話を肯定してから問いを投げるように工夫
・【1on1ミーティングのメリット】部下がアウトプットできる場として意義がある
・【1on1ミーティングの悩み】部下から「何も話すことがない」と言われる不安
2.1on1ミーティングのおススメ度
3.ここだからいえる“上司の本音”

1. 1on1ミーティングのリアルエピソード

【1on1ミーティングの始まり】“部下のための時間”という話に共感してスタート

4月から新しいチームのリーダーになり、新しいメンバーも増えることになったのですが、在宅勤務やリモートワークを行っている状況下では「これまで自分がやってきた昭和的なコミュニケーションでは通じない」と感じ、1on1ミーティングに興味を持ちました。しかし、自分で情報収集した1on1と、実際に会社で行われている1on1にギャップを感じ、どうしたらいいのかわからず実行できずにいました。

そんなときに、たまたま1on1ミーティングのプロコーチである友人から話を聞く機会がありました。友人によると、上司が多く話したり面談のような1on1ミーティングをしたりしている会社が多いが、正しくは部下のための時間であり、部下の成長促進のために実施するものとのこと。この話にとても共感し、あらためて「自分でやってみよう!」という気持ちになりました。

まずはプロコーチである友人に相談しながら勉強するところからスタート。その後、勉強した内容をパワーポイントの資料にまとめ、「なぜ1on1ミーティングをやりたいのか」について自分の中でしっかり腹落ちさせました。さらに、これを部下に伝えるための資料としてブラッシュアップし、私が1on1ミーティングを実施したい理由について理解してもらうところから始めました。

 

【実施内容】オンラインで月1回実施

1on1ミーティングは、オンラインで月1回のペースで実施しています。時間は1回につき、30分程度です。

初回の実施では、部下がリラックスして話ができるように在宅日に設定しました。部下がオンラインビデオで顔を出すのを嫌がる場合は、音声のみの対話にするなどの工夫もしました。2回目以降のスケジュールは、部下の要望に合わせるようにしています。

【1on1ミーティングで話す内容】部下の話を肯定してから問いを投げるように工夫

初回の実施では「なぜ1on1ミーティングをやりたいのか」、資料を使って説明するところから始めました。最後にテーマ例を見せて、「今日話したいことはある?」「モヤモヤしていることはある?」と聞いて、部下にテーマを選んでもらうようにしました。

とても真面目な部下から「昨日からすごく考えているけれど、とくに話したいことが見つからない」と言われたことがあります。そうした場合は、前回の面談内容をもとに私がテーマを設定することもあります。

部下と話していると、つい「こうしたほうがいいよ」とアイデアを出したくなるのですが、そこはグッと我慢して、「そうなんだね。どうしたらいいと思う?」というように、部下の話を肯定した上で問いを投げるように工夫しています。

【1on1ミーティングのメリット】部下がアウトプットできる場として意義がある

とくに新しく入ってきたメンバーとのコミュニケーションを図る上で、とても有効だと思います。年代によって価値観の違いがあることはもちろん、今までの勤務先や業種といったバックボーンによっても言葉のニュアンスは変わってくるものです。どうしても普段の業務の中では「部下がどういう思考を持っているのか」「本当にやってみたいことは何か」を知るのは難しいので、1on1ミーティングを通してじっくり話を聞けることはメリットだと思っています。

部下がモヤモヤしていることに気づけたのも良かった点の一つです。部下から「部として、こうしていくとよいのでは」という提案をもらい、業務をお願いしたこともあります。ただ、後で振り返ってみると、必ずしも1on1ミーティングを業務に結び付けなくてはならないわけではないので、部下がアウトプットするという行為だけでも良かったのかなとも思っています。

また、部下の一人から、地方から東京に異動したタイミングがコロナ禍だったため、送別会も歓迎会もなかったという話をされたことがあります。そのときは少人数でのランチ会を企画し、歓迎する場を設けることができました。ちょっとしたことではありますが、部下に喜んでもらえて良かったなと思っています。

【1on1ミーティングの悩み】部下から「何も話すことがない」と言われる不安

1on1ミーティングを始める前は、「部下から何も話すことがないと言われたら、どうしよう……」という不安がありました。上司の不安は部下に伝わってしまうので、とても心配でした。

でも事前に1on1ミーティングの勉強をする中で、プロコーチから「“型”を知っていると楽だよ」とアドバイスをもらい、気持ちがとても楽になりました。話に詰まったら型に戻ればよいということがわかっているので、今は安心して進めることができています。

もう一つの方法として、「それについて、今は何パーセントくらい?」と数字を聞いて、その理由を尋ねるというやり方も目から鱗でした。詳しく把握しておきたいテーマなどで、よく使っている方法です。

1on1ミーティングのおススメ度

1on1ミーティングのおススメ度は80%です。部下とのコミュニケーションが深まることはもちろん、部下の成長支援ができる点がおススメする理由です。しかし、私自身もそうですが、上司側は「本当にこれで良かったのか」と不安になることが多いため、100%にしていません。

上司側が不安になるのは、相談相手がいないからだと思います。私の場合は、社内に私が目指す1on1ミーティングを実践できている人がいない、という課題感もあります。会社として上司側のフォローもしっかり行ってくれる環境があるなら、本当におススメしたいです。

解決方法はいろいろあると思いますが、私の場合は不安になって自分が話しすぎるというパターンに陥りそうだったので、プロコーチにお願いしてアドバイスをもらうという方法をとりました。

ここだからいえる“上司の本音”

3つのことをいいたいです。

1つ目は、上司のフォローをしてほしいということ。上司にとって1on1ミーティングはハードルが高いというのが本音です。フォローしてくれる人がいないと「このやり方で大丈夫なのか」と不安になるので、続けていくのが本当に辛いと感じます。また、私の場合は直属の上司が1on1ミーティングについて理解しているわけではないので、的確なアドバイスをもらえないという問題もあります。

事前に情報を調べていたときに「1on1というけれど、ただの面談では?」と思ったのは、おそらく上司が辛くなって自分がやり慣れている面談になってしまったパターンが多いのでは?と、自分自身がやってみて気づきました。会社組織にもよると思いますが、直属の上司から教えてもらう形ではなく、人事が1on1についての正しい説明とフォローをする体制にするのが理想的だと思っています。

2つ目は、上司が正しく実施できればメンバーのメリットは大きいということ。私はまだまだ勉強中ですが、初めて1on1ミーティングをやったメンバーから「モヤモヤしていることは特にないと話したけれど、対話する中で気づくことができた。話してスッキリした」と言われたことがあります。部下のこのような反応を見ると、本当にやって良かったと思います。

3つ目は、1on1ミーティングでは“中庸”であるように強く意識すること、部下の話を聞くだけでOKという認識でいることです。プロコーチに相談したときに、「上司がなんとかしてあげたい」と思った時点で、それは上司自身の気づきであって、部下の気づきにはならないとアドバイスをもらいました。1on1ミーティングでは部下自身が気づきを得ることが重要であり、上司が解決しなければならないと思わなくても大丈夫と。

部下の話を聞いてあげるだけでも十分というアドバイスをもらったことで、それまで「上司として、どう行動すべきか」という部分が前面に出てしまう自分自身の癖に気づきました。そこから、1on1ミーティングでは上司の立場ではなく、平等な立場で話を聞くようになりました。部下の成長支援を意識しすぎると面談になってしまうので、その点も注意しています。本などで得た知識と実際にやるのとでは随分違うので、日々勉強中です。

まとめ

事前に勉強や情報収集をして1on1ミーティングに臨んだというサワさん。プロコーチのアドバイスをもとに、様々な発見をしながら1on1ミーティングをより良いものに進化させていこうとする様子が伝わってきました。

サワさんと同じように、1on1ミーティングを実施する中で「本当にこれで大丈夫なのか」「面談と何が違うのか」という不安・疑問を抱く上司は多いのではないでしょうか。今回のエピソードでは、サワさんが学んだ具体策もたくさん教えていただきました。ぜひ参考にしてみてください。

※本記事に使用している画像はイメージです。

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