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2020.01.24

シリーズ

女性管理職~それぞれのStory~

COLUMN

360度評価

りえさんのStory<広告の企画営業→メーカーの広告宣伝部→投資会社の人事部→大手不動産会社の人事部>

女性管理職の登用を進める企業が増え、管理職における女性の割合は徐々に増加しています。しかし、結婚や出産、育児とライフステージが目まぐるしく変化する女性にとって、管理職への昇進に戸惑いを感じるケースは少なくありません。

このシリーズでは、女性管理職のリアルな声やエピソードを紹介し、キャリアとプライベートとの狭間で悩む女性たちの参考になることを目指しています。

リアルワン株式会社では、マネジメント力の向上に貢献する「360度評価サービス」を提供しています。当社は、女性たちがやりがいを感じながら、理想の働き方を実現できる社会を目指して活動を続けています。

今回のゲスト:りえ様(45歳)

プロフィール:大学を卒業後、広告の企画営業職を2年間経験。その後、メーカーの広告宣伝部、投資会社の人事部と転職し、現在は4社目となる不動産会社で人事部に所属。採用研修チームを率いている。

【現在の仕事】
不動産会社の人事部・採用研修チーム(6名)で、全社研修の企画・運営、および(実質的な)チームリーダー

【これまでのキャリア】
・大学を卒業後、広告の企画営業(2年)
・メーカーの広告宣伝部(2年)
・投資会社の人事部(12年※産休2回/2年間)
・不動産会社の人事部(6年目)

【目次】
1.3度の転職。4社目となる現職は旧態依然な男性社会が残る大企業
2.マネジメントに「魔法の杖」はない。トライ&エラーの積み重ね
3.仕事も育児も中途半端。歯がゆさと焦りに苛まれた日々
4.頑張る女性が評価される社会にしたい。変革へのチャレンジ
5.新しい社会にたどり着く過程を「わくわく」しながら創っていく

Story

1. 3度の転職。4社目となる現職は旧態依然な男性社会が残る大企業

私は3回転職していて、現職が4社目です。新卒で広告の企画制作会社に入社して2年間勤めたあと、メーカーの広告宣伝部に転職しました。ここでは、媒体広告の企画やゴルフトーナメントの運営などを2年間行いました。

仕事は楽しくやりがいもありましたが、当時は毎日のように終電か朝帰りという忙しさです。ちょうど結婚のタイミングということもあって、一生仕事を続けるために今後のキャリアを再考しました。この頃、スタッフを一から教育していく面白さを体感していたので、人事のプロを目指そうと考え、方向転換します。

社会保険労務士の資格取得を目指して勉強しながら、次に転職したのは投資会社です。ここでは人事業務全般と広報IRを兼務し、産休を2回取得しました。投資会社なので、M&Aを重ね、会社規模や資本関係が流動的な変化の激しい環境でした。12年間在籍しましたが、本社が数回移転し就業時間まで変わってしまい、次男の保育園のお迎え時間に間に合わなくなったことをきっかけに、半年間かけて次の転職先を探しました。

転職活動で何よりつらかったのは、子持ちアラフォー女性のニーズがまったくなかったこと。「経歴は魅力だけれど残業できないでしょう?」「出張が多いから」「急に休まれると困るから」と、何十社落ちたことか……。

「成果さえ出せば時間は関係ない」とポジションを提示してくれた外資系企業でさえ、役員面接では男性と比較されて不採用。これまで必死に積み上げてきた成果も経験も、「女性」というバイアスがかかると、何の価値もない。自分は世の中でまったく必要とされないし、何の役にも立たない。自分の存在価値を全否定されたようで、人生で一番のどん底にメンタルが打ちのめされました。

結局、時間切れでやむなく入社を決めたのが、旧態依然な男性主体の組織風土がある現在の不動産会社です。時間のハンデがあるママ社員も一般職として雇用できる、3000人規模の組織でした。

じつは、私は正式に「管理職」という肩書がついたことはありません。実質的には現在もリーダーとしてメンバーを束ねているものの、男性優位な当社では「女性=一般職」です。最近でこそ、新卒採用時に女性総合職を少しずつ増やしていますが、割合はわずか2%。中途入社の子持ちアラフォー女性は、管理職どころか、一般職からも抜け出せません。明確な裁量も手当てもないのに、期待と負荷だけは高く、役割にふさわしい成果を先に示せと求められる「名無しの実質リーダー」。それが今の私の状態です。

3度の転職。4社目となる現職は旧態依然な男性社会が残る大企業

2. マネジメントに「魔法の杖」はない。トライ&エラーの積み重ね

リーダーとして大切にしているのは、相手の感情に寄り添うだけでなく、個々のスピードに合わせること。そして、覚悟を持って任せきることです。私はせっかちで感覚重視。自分で動きたいし、走りながら考えるタイプなので、任せきるにはかなりの忍耐が必要でした。

また、どんな仕事においても振り返りを大切にしています。メンバーから、「一緒に仕事をするのが楽しい」「鍛えられた」と言ってもらえるのが、最高にうれしい褒め言葉です。

ですが、あるとき伸び悩んでいる後輩にどんなアドバイスをしても、「できる人にはわからない」と壁を作られてしまったことがあります。どう対応すべきか悩んで尊敬するメンターに相談したら、「あなたは努力を他人に見せていないから」と言われ、目から鱗が落ちました。自分も完璧じゃないからこそ、努力を続けている姿を周囲に見せることが、共感や信頼につながるのだと学びました。

今はおすすめの本を机に積み上げて、私設図書館として貸し出しています(笑)。

マネジメントには「魔法の杖」はなく、トライ&エラーの積み重ねが大切です。つまずいても下を向いている余裕はありません。周りの人と比べるのではなく、昨日の自分と比べて1ミリでも進化していたらそれで十分。昨日の自分と戦うのが、成長のコツなのだと思います。

マネジメントに「魔法の杖」はない。トライ&エラーの積み重ね

3. 仕事も育児も中途半端。歯がゆさと焦りに苛まれた日々

育休を2回(約2年間)取得してフルタイムで勤務しましたが、これはかなりのハードライフでした。子供の体調不良で急遽休みをもらうときの罪悪感。ちゃんと仕事をしたいのに、「配慮」されるやりきれない気持ち。仕事も育児も中途半端になってしまう自分への苛立ちと歯がゆさ、焦りのなかで、精神的にもギリギリの状態が続きました。

私にとって、時間はひねりだすもの。毎日がタイムアタックです。仕事を完遂して定時で帰宅するためにマルチタスクで優先順位を考え、ツールを駆使して前倒しで進めるなど、効率的な時間の使い方を必死で身につけた時期でもあります。トイレの時間も惜しんだために、何度も膀胱炎になりました。

一人目の子供が生まれたころは、「仕事を続けるのは私の勝手なのだから、妻として母として、全部自分がやらなくちゃ」と自ら呪縛をかけていたと思います。ちゃんと自分でやり遂げたい。誰かに頼るのは、負けだし恥だと感じていました。ですが、二人目の育休から復職後は、どうやっても回せなくなり、半ば屈辱的な気持ちで夫に保育園の送りを頼んだら、あっさりOK。「なんだ、やればできるじゃん!(もっと早く言えばよかった)」と徐々にハードルを上げていき、今では子供のお弁当まで作ってくれるようになりました。

しんどいことは抱え込まずに、夫や実家にもきちんと相談して、できるほうができる範囲でやればいい。最新家電や家事代行、支援制度など使えるリソースはフル活用して回せる仕組みを作る。時間も体力も有限なのだから、子供が小さいうちは周囲に甘えて、感謝して頼る。今はそういう時期だと割り切ることも必要です。周りからもらった温かいエールは、いつか必ず返せます。育児と仕事との間で悩んでいる女性には、「一人で背負い込まないで」と伝えたいです。

今は仕事に60%の時間を使っていますが、理想は50%。子供の成長に合わせてバランスを取っていきたいと思っています。

図1_りえさん_現実と理想の割合

4. 頑張る女性が評価される社会にしたい。変革へのチャレンジ

馬が合わない上司や男性優位の風土、いつまでたっても正当に評価されない仕組み、子育てとの両立……と悩みはいろいろありますが、自分がコントロールできないことに期待するのをやめたら楽になりました。信念と覚悟を持って、まずは自分ができること、求められていることに集中して、圧倒的な成果を積み上げることが組織を動かす近道なのだと思います。

頑張る女性がきちんと評価され、報われる社会にしたい。そのために社外から組織を変えて、自分がしてほしかったことをたくさんの女性たちにしてあげたいというのが今のモチベーションです。

当社も私が変えたい世の中の一部。この場所で自分にしかできないことがあると思えるうちは、全社研修の企画運営を通じて組織風土の改革と次世代幹部の育成支援を続けます。やり切ったと思えたら、人財育成・組織改革の専門家として、組織の外から世の中を変えていくことにチャレンジします。今は、自分がいなくても変革がとまらない、そんな仕組みを虎視眈々と構築中です。

5. 新しい社会にたどり着く過程を「わくわく」しながら創っていく

管理職を目指すなら、必要な知識とスキルを全般的に学べる「ビジネスマネジャー検定」はおすすめです。コーチング、ファシリテーション、メンタルヘルスの知識も、リーダーとして、チーム力を強化したり人財を育成する際に役立ちます。まずは知識をインプットし、それから実践を重ねていくと自分の強みが増えます。私自身でいえば、社外の異業種勉強会で尊敬できる多くの同志に出会えたことも、心の支えになりました。

ステージが上がっていくと、女性に多い「謙遜、控えめ、協調、遠慮」といった特性が、逆に「自信のなさ」としてマイナスに映ることがあります。「女性だから」という自身のバイアスを取り払い、「にこにこ、きっぱり」とアサーティブに主張して尖っていくことも必要です。

人生には結婚や出産、育児、夫の転勤、介護と決断を迫らせるタイミングが何度もありますが、優先順位やバランスはその時々で変わって当然です。どんな道を選んでも、何とかなるもの。やり切ったこと、貫いたことはちゃんとその後の人生につながっていくので、無駄な経験は何一つないというのが私の実感です。人生100年時代ですから、逆境も面白がるくらいの気持ちの「遊び」が大事かなと思います。

女性活躍推進法やダイバーシティ、働き方改革など、女性を後押しする流れはありますが、女性という理由だけで数字合わせ的に管理職に抜擢したり、採用のアピールに利用したりするのは本来のあり方ではないと思っています。最終的に目指しているのは、性別にかかわらず、お互いを尊重し、誰もが自分らしさを発揮しながら活躍できる社会です。

今はまだ世の中が変わっていく過渡期。「意欲、実力があっても企業風土、前例踏襲の制度に阻まれて歯がゆい想いをされている方」「マミートラックに乗らざるを得ない状況で、働きやすさはあっても働きがいを見いだせない方。」逆に、「一方的に期待を押しつけられて困惑する方」もいると思います。

残念ながら組織の風土や環境は一朝一夕には変わりません。でも、行動を続けなければ、何も変わらない。ぜひ、勇気を持って一歩前に踏み出してほしいです。新しい社会にたどり着く過程を、わくわくしながら一緒に創っていきましょう!

新しい社会にたどり着く過程を「わくわく」しながら創っていく

まとめ

女性に対する社会からの期待が高まる一方で、「女性だから」という理由で、意向に沿わない状況に置かれるケースもまだまだ見られます。りえさんも、実質と肩書が見合っていないために理不尽な思いをされています。しかし彼女は、その悔しさを逆に「世の中を変えたい」というモチベーションへと転化させています。

行動を続けなければ何も変わらないと力強いメッセージをくれた、りえさん。彼女のエピソードからは、女性が輝くためのヒントがたくさん見つかりました。

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