360度評価は、上司・部下・同僚など様々な関わり方をする職場の仲間から多面的に評価・フィードバックを受けることで、個人と組織の成長を促す手法です。働き方の多様化やビジネス環境の変化にともないマネジメントのあり方が見直される中で、導入する企業が増加しています。
ここでは、360度評価の具体的なやり方と注意点、運用方法まで詳しく解説します。ダウンロードして使える評価テンプレートも用意しているので、ぜひご活用ください。
※関連記事:
360度評価(多面評価)とは? 導入する目的やメリット、失敗しないためには
目次
360度評価のやり方9STEP
早速、360度評価のやり方について、9ステップに分けて解説します。
1 | 実施目的・活用方法を明確にする |
2 | 評価対象者・評価協力者の範囲を決める |
3 | 実施方法を決める |
4 | 運用ルールを決める |
5 | 全体スケジュールを決める |
6 | 評価項目・設問文を決める |
7 | 社内説明を行う |
8 | 実施 |
9 | フィードバック |
ステップ1:実施目的・活用方法を明確にする
まずは360度評価を実施する目的と期待する効果、活用方法を明確にします。従業員の納得感醸成や、取り組みを成果につなげる上で重要なステップとなるため、省略せずに行いましょう。以下に参考例を挙げます。
●実施目的
例)管理職のマネジメント力強化
●期待する成果
例)自己評価・他者評価のギャップと自身の強み・弱みを客観的に把握し、より良い組織運営のための行動変革とスキル向上
●活用方法
例)
・管理職の自己分析とアクションプランの策定に活用
・研修と組み合わせてスキル習得を目指す
・1on1ミーティングの質向上に役立てる
ステップ2:評価対象者・評価協力者の範囲を決める
次に評価対象者と評価協力者の範囲を具体的に決めます。評価対象者は一般社員とリーダー・管理職という区分けのほか、特定の部署や役職に絞り込むケースもあります。
評価協力者は、仕事上、評価対象者と深く関わりを持つ人を選ぶことが前提です。人事部が主体となって選定する方法と評価対象者自身が選ぶ方法がありますが、人事部が主体の場合、関わりが浅い人を選んでしまわないよう注意が必要です。評価対象者が選ぶ場合は、高評価が期待される人選に偏らないよう、事前にルールを明確にしておくとよいでしょう。
評価対象者の人数は企業の規模にもよりますが、評価の妥当性や匿名性を保つためには5~10人程度を推奨します。
ステップ3:実施方法を決める
360度評価の実施方法は、Webアンケートと冊子を使う場合の2通りあります。回答の利便性や配布・集計の効率性においてWebのほうが優れているため、現在はWebアンケートが主流です。
また、評価項目の設計からフィードバックまで全て自社で行う方法と、ベンダーに委託する方法があります。360度評価を成果につなげるためには精緻な項目設計と分析が重要であり、専門的な知見が求められます。実りの多い取り組みとする上では、ベンダーに委託するメリットは大きいといえるでしょう。自社のノウハウだけで対応が難しい場合は、検討することをおすすめします。
ステップ4:運用ルールを決める
次に360度評価の運用ルールを具体的にします。決めるべき事項は以下を参考にしてください。
- 実施回数:1回のみ実施、継続的に実施して変化を確認する など
- 閲覧範囲:評価対象者のみ、人事や組織長、経営者への開示 など
- 活用範囲:人事評価や配属・異動を検討する際の参考材料として活用するか など
- 記名・匿名:率直な評価を得るためには基本的に匿名が望ましい
ステップ5:全体スケジュールを決める
360度評価をスムーズに実施できるよう、全体スケジュールを詳細に立てます。一般的なスケジュール例として、以下を参考にしてください。
- 必要事項の整理:1カ月程度(評価対象者・評価協力者の選定、評価項目の準備など)
- 社内説明:回答期間の2週間から1カ月前を目安に実施
- 調査準備:1~2週間程度(Webアンケートの設定など)
- 回答期間:1~2週間程度
- 回答結果の共有と読み込み:回答期間終了後1週間程度
- フィードバックセッション・面談:回答結果の共有から1~2週間以内
繁忙期や異動・昇格・降格などを決める時期は回答結果に影響がでる可能性があるため、できる限り避けるようにしましょう。
ステップ6:評価項目・設問文を決める
評価項目と設問文を具体的に決めます。先述の通り、360度評価の評価項目は成長のためのヒントを得られること、次のアクションにつなげられることを意識して設定することが重要です。
ステップ7:社内説明を行う
準備が整ったら社内説明を行います。従業員の納得感を醸成できるよう、以下の点を明確に伝えましょう。
- 実施する目的・背景
- 従業員や組織にとってのメリット
- 活用方法・フィードバックの方法
- 実施方法・スケジュール・運用ルール
- 相談窓口
360度評価は評価対象者・評価協力者の双方にとってセンシティブな側面があるため、不安を払拭できるよう丁寧かつ具体的な説明を心がけましょう。
ステップ8:実施
社内への周知ができたら、360度評価を実施します。回答期間中は進捗状況を確認し、回答率が低いときはリマインドメールを送るなどして促します。部署や拠点によって回答率に差があるときは、上長から回答を促すなどの工夫をするとよいでしょう。
ステップ9:フィードバック
回答結果を集計し、評価対象者一人ひとりにフィードバックします。フィードバックの仕方によって受け止め方が大きく変わるため、慎重に行う必要があります。フィードバックセッションや研修、1on1ミーティングなどを通じて、フォローをしながらフィードバックするのも良い方法です。
自社で実施する場合は集計やレポート作成を人事部門が行うことになりますが、ベンダーに委託する場合は集計・分析・レポーティング、フィードバック支援まで行ってもらうことが可能です(対応していないベンダーもあります)。
360度評価の評価項目とは?
360度評価の評価項目は、職務成果に影響を及ぼす項目で構成するのが望ましいといえます。これは、性格や価値観といった内面に対する項目は評価協力者の好みが反映されやすく、指摘されてもパフォーマンス向上の糸口となりにくいためです。また、人事戦略に活用する目的で実施する場合にも、行動と成果の関連性について精査した上で評価項目を設定する必要があります。
この点を踏まえ、調査・評価専業であるリアルワンが実際に用いている評価項目について、例文とともに紹介します。ダウンロードできるテンプレートも用意しているので、ぜひご活用ください。
評価項目の要素と例文
評価項目は、実施目的や評価対象者によって異なります。ここでは、一般社員向けとリーダー・管理職向けに分けて見ていきます。
一般社員向け
一般社員向けの360度評価では、評価対象者が日頃から職務成果につながる行動をとっているかを把握できる項目を設定します。
リアルワンでは、コンピテンシー理論として世界的に支持されている「Spencer&Spencer(1993)」のモデルをもとに、日本の企業向けに独自開発したコンピテンシー評価を採用しています。とくにパフォーマンスとの関係が強いことがわかっている、次の11コンピテンシーを標準的な評価項目としています。
<360度評価の評価項目(一般社員向け)>
- 成果重視
- 率先行動
- セルフコントロール
- 影響力
- チームワーク
- 知識・能力
- サービス重視
- 他の人の理解
- コミットメント
- クオリティ重視
- 柔軟性
<一般社員向けの例文>
- 達成可能かつチャレンジングな目標を掲げている
- 自らやるべきことを見つけ、自発的に取り組んでいる
- 正確性や質の高さに強いこだわりを持ち仕事をしている
- チームメンバーが成果を上げたとき、共に喜び賞賛している
- チームで自分が持つ情報を積極的に開示している
- 顧客要望に対し、期待を超える対処をしている
また、自由記述の項目を設けることで、より具体的な気づきを評価対象者に与えることができます。この際、誹謗中傷とならないよう、前向きなコメントを促す設問文を意識することが大切です。
<自由記述の例文>
- 対象者の行動で、強みと感じる点(素晴らしい点)を自由にお書きください。
- 対象者の行動で、改善してほしい点を自由にお書きください。
リーダー・管理職向け
リーダー・管理職向けの360度評価では、評価対象者が日頃どの程度リーダーシップを発揮できているか、効果的なマネジメントができているかを把握できる評価項目を設定します。
リアルワンでは、リーダーシップ論で世界的に信頼されているMPS(Managerial Practices Survey※ニューヨーク州立大学Gary Yukl教授が提唱)をもとに、日本企業向けに独自開発したモデルを提供しています。具体的には、評価対象者の職位・役割・権限などに合わせて、3カテゴリー・16職務行動で構成します。
●業務課題:日常業務の管理・監督・運営のための行動
- 役割の明確化
- 職務遂行の監督
- 短期計画の立案
- 問題解決行動
- 模範・例示
- 組織学習の促進
●関係構築・維持:職場において適切な人間関係を築くための行動
- 周囲への相談・配慮
- サポート
- 仕事の評価
- 育成・指導
- 権限委譲
●変革:組織の未来を創造するために先見的にとる行動
- 変革の構想
- 変革リスクの受容
- 革新的思考の奨励
- 外部環境の監視
- 変化の必要性説明
<リーダー・管理職向けの例文>
- 部署が目指している目標を明確に示している
- 会社や他部署からの期待や評価を部署メンバーに伝えている
- 部下の成長や将来のキャリアについて親身に相談に乗っている
- 旧来のやり方に固執せず、常により良いやり方を探し試そうとしている
- 考え方や価値観の違う相手に対しても、それを受け入れ、双方にとって最善な方法を探そうとしている
評価項目数・回答形式
評価項目を検討する際は、項目数と回答形式についても考慮する必要があります。項目数が多すぎると評価協力者の負荷が高くなるため、場合によっては適切な回答を得られなくなる可能性が出てくるためです。逆に項目数が少なすぎると、人材開発や人材管理に必要な視点が漏れてしまうことがあるため注意が必要です。
一般的には、評価項目は20~50問の間で設定されるケースが多くなっています。回答時間の目安は15~20分程度です。
回答形式は5段階評定(そう思う・どちらかというとそう思う・どちらともいえない・どちらかというとそう思わない・そう思わない)を用いるのが一般的です。なお、自由記述は負荷が高まりやすいため、1~3問程度に絞り込むとよいでしょう。
360度評価のテンプレート
リーダー・管理職向け360度評価の評価項目のテンプレートを用意しました。必要に応じて編集できるExcelをダウンロードできます。ぜひご活用ください。
360度評価の適切な読み取り方
360度評価の回答結果は、正しく読み取ることで今後の行動指針に活かすことができます。運用の際は回答結果の読み取り方について必ず事前に共有し、従業員のやる気を削がない工夫が必要です。
1.他者との比較はNG
360度評価は自分の強み・弱みを把握するものです。他者との比較に意味はありません。周囲に伺うようなことはせず、また周囲から尋ねられても答えないようにしましょう。
多角度のフィードバックをもとに自分と向き合い、次のアクションプランに活かしていきましょう。
2.点数に一喜一憂しない
点数はあくまで強み・弱みを把握するためのものです。点数自体に一喜一憂する必要はありません。
点数は上司が高得点になりやすく、若手は厳しくなりがちです。
2回目以降の実施では期待値が上がる分、見る目が厳しくなり、前回よりも点数が下がることもあります。また、評価協力者の構成が変われば点数にも影響が出る場合もあります。
評価対象者には事前説明をきちんと行った上で、今後のアクションプランに落とし込みましょう。
360度評価の効果的なフィードバックの方法
360度評価を実施した後は必ずフィードバックを行いましょう。フィードバックを実施しなければ360度評価を行った目的を理解されず、制度が形骸化する恐れがあります。また、フィードバックの仕方によって本人への伝わり方は大きく変わります。従業員のやる気を促し、良好な人間関係を維持するためにも、フィードバックの方法や伝える場所・言葉選びなどに細心の注意を図り実施しましょう。効果的なフィードバックを実施するための3つのポイントを紹介します。
1. 上司との1on1面談を必ず実施する
上司からの一方的なフィードバックではなく、上司と部下の双方で率直な意見を出し合うことが重要です。評価結果を上司と部下で直接話し合うことで、お互いの成長やマネジメントの改善につなげることができます。また、面談時は他者に聞かれない個室で行うのがベストです。従業員がフィードバックを受けやすく、意見を出しやすい環境で行いましょう。
2. 強みと弱み(改善点)を明確に伝える
評価結果から見えてきた強み・弱みを具体的に伝えましょう。強みについては周囲の評価や具体的な行動で良かった点などを挙げると効果的です。
一方、弱みのフィードバックは心理的負担が強いため、伝え方には注意が必要です。先に強みを伝え、その後で改善点を伝えるようにしましょう。
どちらを伝える場合でも、一方的に伝えるのではなく、積極的に相手に発言を促すようにします。例えば「今の話を聞いてどう思うか?」「思い当たることはあるか?」などを質問をし、自身の行動や判断を振り返る機会を与えましょう。
3. 管理職も部下からの評価を受け止める
360度評価は同僚や部下からも評価を受けます。上司が他者からの意見を受け入れられないようでは、意見を出しやすい雰囲気は生まれません。上司も部下からの評価結果を真摯に受け止め、自身の成長に活かすことが大切です。
360度評価は実施後が重要!成長につながる活用方法
360度評価を組織に浸透させるには、一時的な実施で終わらせるのではなく、360度評価を定着させるための工夫が求められます。中長期的な組織の成長に活かすための活用方法を解説します。
1. 管理職が従業員のフォローアップを行う
360度評価を定着させるためにも、実施後は管理職がフォローアップを行い、従業員がアクションプランに基づく行動変容ができているかを確認します。360度評価で挙げられた長所を活かしているか、短所を克服するための行動ができているかを振り返ることで、従業員の継続的な成長につながります。新たな改善点があれば加えて指摘することで、評価を正しく解釈し、自己理解を深めることができます。
2. 評価結果を人材育成に活用する
360度評価で見つかった長所や短所は中長期的な人材育成プランに活用できます。360度評価でリーダーシップを評価された従業員がいた場合、リーダー研修やセミナーの参加を促したり、優秀なリーダーをメンターにつけるなど、評価結果に基づくキャリア形成をサポートできます。また、360度評価を参考に異動・配置変更を行うことで強みを活かした起用を実現できます。
3. 360度評価の実施による成果を組織に共有する
360度評価の実施後、従業員の変化や成功例を組織内で共有し、360度評価の意義を組織全体に浸透させましょう。業務効率化の実現やチーム間でのコミュニケーションの改善など、定量・定性的な変化の両方に着目しピックアップすると効果を様々な視点で捉えることができます。成功事例を共有することで、他の従業員のやる気を促し切磋琢磨できる環境を整備できます。
360度評価を行う頻度
360度評価を行う適切な頻度については、会社の状況や目的によって異なりますが、一般的には半年から1年に1回程度が推奨されています。それよりも細かな頻度で実施してしまうと行動変容を把握しづらくなり、制度が形骸化する恐れがあります。
また、一度きりではなく、定期的に実施することで、継続的な改善と成長を促すことができます。評価結果のフィードバックや行動計画の策定、そしてその実践のための十分な時間を確保できる頻度を選択することが重要です。
適切な頻度は組織によって異なりますが、年1回から半年に1回の実施が一般的であり、効果的とされています。ただし、組織の状況や目的に応じて柔軟に調整することが大切です。
360度評価を導入・運用する際の注意点
360度評価を導入する際の注意点を見ていきましょう。
企画・設計のポイントと注意点
360度評価の失敗例として多いのは、「結果を次のアクションに活かせない」というケースです。これを回避するには、実施後の活用まで見越した企画・設計を入念に行うことがポイントとなります。以下の点を参考に進めていきましょう。
<360度評価実施後のアクションの例>
- 自己評価と他者評価のギャップがわかる、強み・弱みがわかるなど、次にアクションにつなげられるレポートを作成できるように評価項目を設計する
- 評価協力者が判断に迷ったり感覚的になったりしないよう、評価項目・設問内容を精査する
- 活用支援の施策をあらかじめ決めておく(レポートの読み解き方をレクチャー、模範的な活用例の提示、行動計画・目標シートとセットで運用、研修と組み合わせて運用など)
社内説明のポイントと注意点
従業員の理解・納得が十分に得られていないまま360度評価を実施すると、失敗に終わるケースがほとんどです。社内説明会などを通じて目的や意義を伝えるとともに、不安を払拭するための説明をしっかり行うことが重要になります。
評価対象者・評価協力者のそれぞれにどのような点が伝わることが望ましいのか、ポイントを以下に挙げます。
<評価対象者に伝えるべきこと>
- 360度評価によるフィードバックは自身の成長のための貴重なヒントとなること
- 結果の良し悪しだけにとらわれず、フィードバックという「贈り物」を有効に活用してほしいこと
- 人事考課への直接的な影響はないこと
とくに人事評価や配属・異動への影響については心配の声が上がるため、360度評価を参考材料とする場合は丁寧な説明が必要です。なお、360度評価の結果を直接的に人事考課や報酬などに紐づけると、不安が助長されたり駆け引きが起こりやすくなったりするなどのデメリットが浮上するため、おすすめしません。
<評価協力者に伝えるべきこと>
- 評価対象者の今後につながるよう客観的な評価を心がけること
- 好き嫌いや感情に任せた評価・コメントをしないこと
- 自由記述のコメントは評価対象者への贈り物であり、より良い組織づくりへの貢献であることを理解した上で、具体的な提案やアドバイスを行うこと
とくに自由記述では「どんなことを書けばよいのか、わからない」という声が多く聞かれます。有益なコメントが増えるよう、見本となるコメント例を提示するなど工夫してみましょう。
運用時のポイントと注意点
運用時の失敗例では「安心して回答できる環境が整っていない」「トラブルが起きないか心配」などの心理的な要因から、適切な評価が行われないことが挙げられます。安心して取り組めるよう、仕組みやサポート体制を整えることが大切です。以下のポイントを参考にしてください。
<360度評価を効果的に運用するポイント>
- 匿名性が担保される仕組みや、360度評価用のWebアンケートシステムなどを活用する
- 実施前~実施後の懸念点やトラブルに対応する相談窓口を設ける
- 回答データ・レポートの閲覧範囲や管理方法などの運用ルールを明確に決め、事前に周知する
360度評価の取り組み事例
ここでは、リアルワンの360度評価を活用して成果につなげている企業の事例を紹介します。ぜひ参考にしてください。
カルティエジャパン
世界的なラグジュアリーブランドとして知られるカルティエジャパン様では、“成熟したフィードバック文化”が個々のグロースマインドセットを作るという考えのもと、管理職以外の全スタッフを対象としたフィードバックサーベイと研修を実施しました。
同社では、フィードバックサーベイは直接的なフィードバックとは異なり、スタッフに求められる能力を会社や参加者全員に教えてくれる有効なツールと位置付けて取り組んでいます。評価項目の設計では、同社が重視するコンピテンシーの中でも全スタッフに共通するものとしてコミュニケーション領域に絞り込みました。
また、社内への周知ではオリエンテーション・ビデオを作成して、フィードバックサーベイがグロースマインドセットの概念において、どのように活かされていくのかをわかりやすく説明するという工夫もしています。
参加したスタッフからは「お互いの見識が深まった」などの反応を得られ、日常的にポジティブで建設的な会話ができる組織への第一歩となったといいます。
参考:グロースマインドセットを生み出すフィードバックサーベイの活用法~カルティエジャパン
株式会社オリエントコーポレーション
大手信販会社の株式会社オリエントコーポレーション様は、マネジメント層のフォローと魅力ある職場づくりを目的に、管理職を対象とした360度評価を継続的に行っています。
評価項目の設計では、評価対象者がしっかり自己分析でき、かつ次の行動につなげられるレポートを出せるよう、人事部がこだわりを持って取り組んだといいます。人事から発信するメッセージでは「評価」という言葉は一切使わず、サーベイや診断といった表現を用いて、あくまでも評価に紐づくものではないことが伝わるよう工夫しています。加えて、360度評価を行った後は研修を実施し、次の行動につなげていくためのフォローも行っています。
評価対象者からは「自分自身を振り返ることができた」「自分では強みだと認識していなかったことが、じつは評価されていた」など、いろいろな気づきを得られたという声が多いそうです。しっかり下準備をすれば、過剰反応やアクシデントを防げるという経験談も語られています。
また、行動改善に取り組んだ成果を1回目と2回目のビフォア・アフター評価で確認できるため、モチベーションが高まるケースが多く見られるとのこと。継続的に運用しているからこそわかる、成功のヒントが詰まった事例です。
参考:ここが知りたい!360度評価 〜導入6年、管理職育成手法として根付かせた、オリコ人事部がやったこと〜
専門家が徹底サポートするリアルワンの360度評価
テレワークが加速するなど働き方の多様化が進んでいる今、「お互いに学びあえる機会が減った」「マネジメントが難しい」という声が多く聞かれるようになりました。360度評価は、評価対象者にとっては自身の行動改革につながる様々なヒントを得られ、評価協力者にとってはフィードバックのスキルを身につけられる機会でもあり、人と組織の成長を強力に推進できる手法です。
リアルワンでは、調査・評価専業ならではの豊富な実績と専門的な知見をもとに360度評価をサポートしています。
- 専門家が導入・運用を徹底サポート
- 企画・設計からWeb評価システムの提供、分析・レポート作成、実施前後のフォローまで、あらゆるニーズに対応
- 科学的な理論をもとにした信頼性の高い評価項目の設計(オリジナル項目の設計も可能)
- 様々な示唆を得られるフィードバックレポートを提供
(フィードバックレポートの例)
「360度評価を成果につなげたい」「何から始めればよいのかわからない」という企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。