新入社員はやる気ない!?特徴と原因、モチベーションの上げ方を解説

次世代を担うべく、期待されて入社してきた新入社員。しかし、研修や仕事を通して聞こえてくるのは、「やる気がない」「モチベーションが低い」「積極性が足りない」といった意見の数々。業務に向き合う新入社員に対し、頭を抱える上司や先輩社員は少なくありません。

そこで本記事では、この問題に対処するため、やる気のない新入社員の特徴と原因を考察。あわせて、モチベーションを上げ、成長につなげる方法を解説します

【本記事で得られる情報】

・やる気のない新入社員の特徴
・新入社員がやる気をなくす原因
・やる気のない新人のモチベーションを上げる方法
・新入社員の不安を解消するポイント

この記事を監修した人
青山 愼
青山 愼

立命館大学経済学部卒業。早稲田大学ビジネススクールでMBAを取得。在学中に、「組織学習」や「個人の知の獲得プロセス」に関する研究を経て、リアルワン株式会社を設立。企業や組織が実施する各種サーベイ(従業員満足度調査・360度評価・エンゲージメントサーベイ等)をサポートする専門家として活動。現在は累計利用者数が100万人を超え、多くの企業や組織の成長に携わる。

やる気のない新入社員の特徴とは?

まずは、やる気のない新入社員の特徴を考察します。

【やる気のない新入社員の特徴】

・仕事に対する積極性がない
・「報告・連絡・相談」ができない
・周囲と関係構築ができない
・マイナス思考が強い

ひとつずつ見ていきましょう。

仕事に対する積極性がない

やる気のない社員は、仕事に対する積極性がありません。言われた仕事だけをこなし、それ以上のことをやろうとはしない「指示待ち社員」です。

自主的に考えて動こうとしないため、仕事や役割に対する理解も進まず、いつまで経っても自律できないのが特徴です

報告・連絡・相談ができない

いわゆる、「報・連・相」ができません。報告しければならないこと、連絡が必要なこと、相談すべきことへの認識が進んでいないのが特徴です。

中には、上司や先輩、同僚に対して必要以上に気をつかうタイプの新人もいて、仕事や悩みを一人で抱えこんでしまう傾向があります

周囲と関係構築ができない

周囲と関係構築ができないのも、やる気のない新入社員の特徴です。積極性や自主性がないため、周りに対して自分から働きかけることができません。

関係性の構築は、仕事を進める上で欠かせない要素です。話しやすい環境を整え、チームワークの重要性を認識させる必要があります

マイナス思考が強い

やる気のない新入社員は、マイナス思考が強い傾向にあります。新人の頃は、仕事に慣れていないためミスが多くなりがちです。しかし、マイナス思考が強いため周囲からのフィードバックもネガティブに受け取ってしまいます。

さらに、自分から進んでミスの原因を見つけようともしません。やる気のない新入社員は、失敗から学ぶ姿勢が欠落しています

関連記事:モチベーションが下がる職場・低い社員の特徴~原因や上げ方を解説

新入社員がやる気をなくす原因とは?

なぜ新入社員は、やる気をなくすのでしょうか。ここでは、その原因を考察します。

【新入社員がやる気をなくす原因】

・リアリティショック
・新入社員研修が機能していない
・仕事のミスマッチ
・仕事量が多すぎる

詳しく見ていきましょう。

リアリティショック

リアリティショックとは、理想と現実とのギャップにショックを受けることです。このリアリティショックを経験し、やる気をなくしてしまうのです

多くの新入社員は、入社前のイメージと入社後に見る現実とのギャップに衝撃を受けます。仕事内容や対人関係、評価や価値観など、現実と自己認知とのズレがリアリティショックとなり、やる気を低下させてしまいます。

新入社員研修が機能していない

新入社員研修が機能していないのも、やる気をなくす原因です。先に述べたように、新入社員の多くはリアリティショックを経験します。そこを織り込まなければ、研修は効果がありません。急ぎすぎ、詰め込みすぎはNGです。

新入社員は、希望と共に多くの不安を抱えています。研修のプログラムやスケジュールは、環境変化に対する新入社員のストレスを十分考慮することが求められます。

仕事のミスマッチ

仕事のミスマッチが原因で、やる気をなくすケースも少なくありません。研修が無事に終わっても、配属後「希望と違う」といったミスマッチが起こるケースは大いにあります。

仕事のミスマッチは、新入社員のやる気を低下させるばかりではなく、早期離職につながりかねません。ミスマッチをどのように防止するのか、企業にとって大きな課題といえるでしょう。

仕事量が多すぎる

仕事量が多すぎることも、新入社員がやる気をなくす原因のひとつです。業務に慣れるにしたがって、仕事量も増えていきます。中には、キャパオーバーになる新入社員もいるでしょう。

新入社員は、量をこなす時間配分ができません。仕事を、背負い込んでしまう可能性もあります。こうなると、期限までに終わらせることができずに自信を喪失、やる気の低下につながります。

関連記事:従業員満足度が高い職場環境とは?企業の取り組み事例5選も紹介

やる気のない新人のモチベーションを上げる方法

それでは、やる気のない新人のモチベーションを上げる方法を見ていきましょう。

【やる気のない新人のモチベーションを上げる方法】

・信頼関係を構築する
・研修制度を見直す
・ロールモデルを設定する
・スモールステップで成功体験を積ませる

詳しく解説します。

信頼関係を構築する

最初に取り組むべきことは、信頼関係の構築です。先述した通り、多くの新入社員はリアリティショックを経験し、不安を抱えた状態にあります。まずは、新入社員と信頼関係を構築し、安心感を高めることが重要です。

そのためには、風通しの良い環境を整備し、違いを認める文化を作る必要があります。不安や悩みを相談できる、窓口を設置するのも効果的です。信頼関係を構築し、安心して働ける職場にすることが、仕事のモチベーションを高めるのです

研修制度を見直す

研修制度を見直すことも、新入社員のモチベーションを上げる重要な視点です。意識すべきは、「内発的モチベーション」を高めることです。内発的モチベーションとは、人の内側から生まれるモチベーションのことです。「興味・やりがい・達成感」といったものを指します。

内発的モチベーションは、外部の影響を受け難く、持続性が高いのが特徴です。ただし、高めるのが難しい側面もあります。

仕事に対する意味づけや価値観の明確化、目標設定や自己決定の促進を研修に織り込むことが、内発的モチベーションの向上につながります

ロールモデルを設定する

モチベーションを上げる方法に、目標の設定があります。その際に重要なのは、ロールモデルを設定することです。ロールモデルとは、「お手本になる社員」のことです。

新入社員は、仕事の経験が浅いため、明確な目標をイメージすることができません。ロールモデルは、その問題をクリアしてくれます。

ポイントは、年齢の近い先輩社員をロールモデルに設定することです。話を聴いたり、フィードバックを受けたりすることで目標設定がしやすくなり、モチベーションの向上に効果的です。

スモールステップで成功体験を積ませる

スモールステップで成功体験を積ませることも、モチベーションを上げる有効な方法です。スモールステップとは、目標を細分化してできる内容から少しずつクリアし、小さな成功体験を積み上げていくことです。

成功は小さくても、積み上げることで自信が持てるようになります。自信は、「自分はできる」という自己効力感となり、モチベーションを上げる効果があります。

関連記事:社員のモチベーションを上げる方法とは~取り組みと企業の事例を紹介

新入社員の不安を解消する3つのポイント

見てきたように、新入社員は様々な不安を抱えています。やる気を向上させるには、その不安を解消することが重要です。ここでは、新入社員の不安を解消する3つのポイントを解説します。

【新入社員の不安を解消する3つのポイント】

・「理念・ビジョン・パーパス」を共有する
・評価と承認を行う
・心理的安全性を高める

詳しく見ていきましょう。

「理念・ビジョン・パーパス」を共有する

「理念・ビジョン・パーパス」を共有することで、会社の社会的役割や仕事の意義に対する理解を深め、働くことへの意味づけを促進します。新入社員は、何事にも経験が浅く、漠然とした不安を抱えています。「理念・ビジョン・パーパス」を共有し、不安を解消しましょう。

「理念・ビジョン・パーパス」の共有された会社では、仕事に対する誇り、会社への信頼感、社員同士の一体感が高まると共に、内発的モチベーションも高くなっていくのです。

評価と承認を行う

評価と承認を行い、新入社員の安心感を高め不安を解消しましょう。成長を評価すれば、自己肯定感が高まります。承認することで信頼関係が深まり、やる気につながります。評価と承認は、新入社員に自信を与えるのです

人は誰でも、「褒められたい」「認めてほしい」と思っています。リアリティショックに悩み、不安を抱える新入社員にとって、評価と承認は不可欠といえる取り組みなのです。

心理的安全性を高める

心理的安全性とは、仕事や立場、人間関係を意識することなく、意見や考え方を自由に発言できることです心理的安全性が高い職場は、すべての社員が尊重され受け入れられる環境といえます。心理的安全性がなければ、不安は高まるばかりでしょう。

心理的安全性を高めるには、会社と社員、そして社員同士の信頼関係を深め、風通しを良くすることです。違いを認める文化も不可欠でしょう。意見を率直に言い合える関係性は、ミスマッチの防止にも効果を発揮します。

関連記事:心理的安全性を高め、組織の生産性を高めるリーダーとは?

最後に

やる気のない新入社員の特徴とその原因、モチベーションを上げる方法を見てきました。新入社員は、組織の将来を支える大切な人材です。自社に合った方法で、新入社員のやる気を高めていきましょう。

ただそれには、自社の状態を知る必要があります。今の状態が分からなければ、効果的な方策を立案できません。会社の状態を把握するには、組織サーベイが効果的です。組織サーベイとは、組織の状態を可視化する調査のこと。実施にあたっては、専門会社に依頼することをお勧めします。

リアルワン株式会社は、組織サーベイの専門会社です。第一線の専門家が監修する「従業員満足度調査(ES調査)」「エンゲージメントサーベイ」「360度評価」で組織の状態、また内包する課題を可視化します

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