スメルハラスメントとは?事例や伝え方、職場への影響と対策を解説

ハラスメントには多くの種類がありますが、今回は「体臭・口臭・香水」といった「臭い」が原因で起こる「スメルハラスメントを深掘りします。

スメルハラスメントとは、どのようなハラスメントなのか。意味や事例を紹介しながら、職場に与える影響や対策、上手に伝える方法を解説します。

【本記事で得られる情報】

・スメルハラスメントの意味
・スメルハラスメントへの対応が難しい理由
・スメルハラスメントの事例
・スメルハラスメントが職場に及ぼす影響や問題
・スメルハラスメントの対策
・スメルハラスメントを上手に伝える方法

この記事を監修した人
青山 愼
青山 愼

立命館大学経済学部卒業。早稲田大学ビジネススクールでMBAを取得。在学中に、「組織学習」や「個人の知の獲得プロセス」に関する研究を経て、リアルワン株式会社を設立。企業や組織が実施する各種サーベイ(従業員満足度調査・360度評価・エンゲージメントサーベイ等)をサポートする専門家として活動。現在は累計利用者数が100万人を超え、多くの企業や組織の成長に携わる。

スメルハラスメント(スメハラ)の意味~定義と対応の難しさ

まずは、スメルハラスメントの意味と対応が難しい理由を解説します。

「臭いのハラスメント」スメルハラスメントの定義

スメルハラスメントとは、「臭い」によって周囲を不快にさせる行為のことです。「臭い」を表す「スメル:smell」と、「迷惑行為」を表す「ハラスメント:harassment」を組み合わせた言葉で、「臭いのハラスメント=スメルハラスメント(スメハラ)」と呼ばれています。

関連記事:ハラスメントとは?「種類・意味」職場で起こる原因とその対策を解説

スメルハラスメントの難しさ

セクハラやパワハラなどと比べると、スメルハラスメントの対応には特有の難しさがあります。ここでは、その理由を解説します。

【スメルハラスメントへの対応が難しい理由】

・臭いには明確な基準がない
・本人も気づいていない場合が多い
・伝え方を間違うと相手を傷つけてしまう

ある臭いに対して、不快感を持つかどうかは人それぞれです。万人が不快に思う臭いがあるのは事実ですが、明確な基準があるわけではありません。また、自分が発する臭い関しては本人も気づいていない場合が多く、対応には配慮が必要です。

特に体臭や口臭などは、体質の関係もあり、非常にセンシティブな問題といえます。伝え方を間違うと、相手を傷つけてしまうことになりかねません。こういったことが、スメルハラスメントへの対応を難しくしています。

スメルハラスメントの種類~事例を解説

では、スメルハラスメントの具体例をあげてみましょう。

【スメルハラスメントの種類】

・ワキガ(腋臭)や体臭、汗の臭い
・口臭
・香水の臭い
・柔軟剤の臭い
・タバコの臭い

ひとつずつ見ていきます。

スメハラの具体例:ワキガ(腋臭)や体臭、汗の臭い

ワキガ(腋臭)や体臭、汗の臭いは、スメルハラスメントの代表です。周囲にとっては大変迷惑な臭いですが、本人には自覚がないことが多いという特徴があります。

スメハラの具体例:口臭

口臭もまた、スメルハラスメントを代表する臭いです。口臭は、意識していても虫歯や歯周病、体調や食事、嗜好品などによって強くなってしまう厄介な面があります。

スメハラの具体例:香水の臭い

香水の臭いは、好き嫌いが分かれます。人によっては、「香害」と感じる場合もあるでしょう。香水も、強すぎてはスメルハラスメントになってしまいます。その他、化粧品や整髪料などの臭いもスメルハラスメントになり得ます。

スメハラの具体例:柔軟剤の臭い

洗濯で使用する柔軟剤の臭いも、スメルハラスメントの要因になます。柔軟剤の臭いによって、頭痛になったり体調不良になったりする人がいるのも事実です。自分にとっては「いい匂い」でも、「不快な臭い」と感じる人がいることを認識しておくべきでしょう。

スメハラの具体例:タバコの臭い

タバコの臭いも、非喫煙者にとってはスメルハラスメントになってしまいます。分煙が進んだとはいえ、タバコの臭いが衣服や身体に染みついているケースは少なくありません。タバコの臭いもまた、周囲に対する配慮が必要です。

スメルハラスメントが職場に与える悪影響

ここでは、スメルハラスメントが職場に与える悪影響を考察します。

【スメルハラスメントが職場に与える悪影響】

・ストレスや体調不良を招く
・パフォーマンスが低下する
・人間関係が悪化する
・退職につながる可能性がある

詳しく解説します。

スメハラの影響:ストレスや体調不良を招く

スメルハラスメントによって、周囲の従業員がストレスを抱えたり体調不良になったりする可能性があります。不快な臭いは精神面にストレスを与え、頭痛や吐き気などの体調不良を招き、ひどい人は「うつ病」になる恐れすらあるのです。

スメハラの影響:パフォーマンスが低下する

不快な臭いは、従業員の集中力を低下させ、正常な判断力を奪ってしまいます。その結果、従業員のパフォーマンスが低下。生産性が悪くなるばかりか、組織全体の活力がなくなってしまう可能性があります。

スメハラの影響:人間関係が悪化する

スメルハラスメントによって、職場の人間関係が悪化する恐れがあります。不快な臭いの原因になっている従業員は、周囲から良い印象を持たれません。嫌悪感を抱く従業員が多くなるのは、仕方がないことでしょう。

こういった状況が続くようであれば、個々の人間関係が悪化するばかりではなく、社内全体のチームワークが崩れてしまいかねません

スメハラの影響:退職につながる可能性がある

ここまで見てきたような状態が長く続けば、従業員の退職につながる可能性が高くなるでしょう。働き方改革の推進やワークライフバランスの整備は、企業にとって喫緊の課題。ハラスメントの改善も、その課題のひとつです。優秀な人材の定着を促進するためにも、スメルハラスメントへの対応が求められます

スメルハラスメントの対策

企業は、スメルハラスメントにどう向き合っていけばよいのでしょうか。ここでは、スメルハラスメントの対策を解説します。

【スメルハラスメントの対策】

・研修を行い注意を喚起する
・相談窓口を設ける
・加害者にならないように予防する

ひとつずつ見ていきましょう。

研修を行い注意を喚起する

最も大切なことは、スメルハラスメントに対する理解を深めることです。スメルハラスメントは、セクハラやパワハラ、マタハラなどに比べると、まだまだ認知度が低いハラスメントといえます。加害者であることを本人が自覚していないことも多く、まずはスメルハラスメントについて知ることが重要です。

そのためにも研修を行い、スメルハラスメントに対する注意を喚起しましょう。スメルハラスメントの定義や具体例、周囲に与える悪影響を示しながら「香りのマナー」を解説し、不快な臭いに対する従業員の意識を高めます。

相談窓口を設ける

相談窓口を設けることも、スメルハラスメント対策として有効です。不快な臭いについては、体質が原因の場合もあり、慎重に扱うべきケースが少なくありません。伝え方が難しいため、指摘することを諦めてしまう人もいます。このようなとき、相談窓口が力を発揮するのです。

相談窓口には専門の担当者を配置し、内容を聴き取りながら、問題解決に向けた方策を提案します。社内に設置するのが難しい場合は、社外相談窓口の活用を検討しましょう。

加害者にならないように予防する

日頃から「不快な臭い」を意識し、加害者にならないように予防することも重要です。体臭を予防するには、入浴が欠かせません。適切なオーラルケアは、口臭予防につながります。香水や柔軟剤の臭いについては、やはり「使いすぎない」ことでしょう。

タバコについても、臭いの少ない電子タバコに変えたり、臭いが衣服や身体に付くのを防いだり、周囲に対する配慮が必要です。スメルハラスメントは、自分も加害者になる可能性があることを認識し、予防を心がけることが重要です。

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スメルハラスメントの伝え方~上手に指摘する方法

スメルハラスメントは、プライバシー性が高くセンシティブな問題です。伝え方を間違えば、伝える側がハラスメントになってしまう可能性もあります。加害者本人に直接伝える場合は、細心の注意が必要といってよいでしょう。

では、どのように伝えればよいのでしょうか。ここでは、スメルハラスメントを上手に指摘する方法を解説します。

まず前提として、スメルハラスメントに対する認識を共有しておくことが不可欠です。この前提がない状況でスメルハラスメントを指摘すると、関係性が悪化します。必ず研修を行い、スメルハラスメントに対する理解を深めておきましょう

その上で、上手に指摘するには次のポイントを意識します。

【スメルハラスメントを上手に指摘するポイント】

・社内報やポスターで啓発する
・顧客や取引先から「臭いに対する意見が届いている」と告知する
・直属の上司か統括部署(総務・人事)が業務の一環として伝える
・1on1ミーティングの形で伝える
・相手の話もしっかり聴く
・アフターフォローを忘れない

スメルハラスメントは、個人間で解決するのが難しい問題です。間に、誰かが入った方が無難でしょう。ただ、加害者に遠慮しすぎて、事実が伝わらなければ意味がありません。上記のポイントを意識し、柔らかな表現で事実をしっかり伝えることが、スメルハラスメントを上手に指摘する方法といえるでしょう。

最後に

スメルハラスメントが放置された職場で、働きたいと思う従業員はいないでしょう。従業員がパフォーマンスを発揮し、「この会社で働きたい」と思ってもらうためにも、スメルハラスメントを改善・防止することが求められます。

ただし、それにはまず従業員の声を吸い上げ、組織の状態を知る必要があります従業員の声を吸い上げるには、「組織サーベイ」が効果的組織サーベイとは、組織の状態を可視化するアンケート調査のことです。アンケートによって、従業員の声を吸い上げ、組織が内包する課題を明確にします。

リアルワン株式会社は、組織サーベイの専門会社です。第一線の専門家が監修する従業員満足度調査(ES調査)」「エンゲージメントサーベイ」「360度評価」で、従業員の声を吸い上げ、組織の状態と課題を定量的に可視化します。

従業員の声を聴き、スメルハラスメントを改善・防止したいとお考えの企業様は、リアルワンの組織サーベイをぜひご活用ください。

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