1on1ミーティングとは?効果や目的、失敗しないコツと質問例を解説

部下の成長を支援する「1on1ミーティング」を導入する企業が増えています。ただ、上司と部下が1対1で行うことから、独自の難しさがあるのも事実です。

そこで、今回は1on1ミーティングの概要を整理しながら失敗しないコツを解説。合わせて、1on1ミーティングで活用できる質問例を紹介します。

【本記事で得られる情報】

・1on1ミーティングの意味
・1on1ミーティングの目的
・1on1ミーティングの効果
・1on1ミーティングを失敗しないための注意点
・1on1ミーティングの効果を高めるポイント
・1on1ミーティングのアジェンダと効果を高める質問例

この記事を監修した人
青山 愼
青山 愼

立命館大学経済学部卒業。早稲田大学ビジネススクールでMBAを取得。在学中に、「組織学習」や「個人の知の獲得プロセス」に関する研究を経て、リアルワン株式会社を設立。企業や組織が実施する各種サーベイ(従業員満足度調査・360度評価・エンゲージメントサーベイ等)をサポートする専門家として活動。現在は累計利用者数が100万人を超え、多くの企業や組織の成長に携わる。

1on1ミーティングとは?

リクルートマネジメントソリューションズが実施した調査(※)によると、1on1ミーティングを導入している企業は「約7割」という結果になっています。今や、多くの企業が導入する1on1ミーティングですが、ここではその概要についてあらためて整理しておきましょう。

※2022年 人事系業務を担当する正社員936名に対する「1on1ミーティングに関する実態調査」より

1on1ミーティングの意味

1on1ミーティング
上司と部下が定期的に行う1対1のミーティング(双方向のコミュニケーション)のこと。人材育成を促進するマネジメント手法のひとつとして導入が進んでいる。

1on1ミーティングは、アメリカのシリコンバレーで導入が進み、日本でも2012年に「ヤフー株式会社」が導入し注目されるようになりました。日本型の雇用慣行である「終身雇用・年功序列」が事実上崩壊し、人材の流動性が高まっている現在、優秀な人材を確保する方策のひとつとして導入が進んでいます

実施頻度は、「週に1回~月に1回」。1回の所要時間は、「30分~60分」が一般的です。継続的に行えば、従業員の主体性や自律性、またエンゲージメントが向上し、強い組織を作り上げることができます。

1on1ミーティングと評価面談の違い

1on1ミーティングに似ている取り組みとして「評価面談」があります。ただ、この両者は似て非なるものです。ここでは、その違いをまとめておきます。

1on1ミーティング評価面談
目的部下の成長促進・組織力の強化評価の振り返り・目標設定
進め方上司と部下が「双方向」で対話上司から部下へ「一方向的」
ミーティングや面談の内容仕事内容から個人的な悩みまで評価や目標の進捗確認が中心
実施頻度週に1回~月に1回四半期に1回~年に1回

関連記事:評価制度とは?目的や種類、メリットデメリットを作り方と共に解説

1on1ミーティングの目的

では、1on1ミーティングの目的を詳しく見ていきましょう。

【1on1ミーティングの目的】

・部下の成長を促進するため
・組織力を強化するため

それぞれ解説します。

部下の成長を促進するため

1on1ミーティングは、部下の成長を促進するためにあります。部下の悩みや不安に寄り添い、対話を通したコミュニケーションによって行動変容を促し、成長につなげることが1on1ミーティングの目的です。

組織力を強化するため

もうひとつの目的は、組織力を強化するためです。1on1ミーティングによって部下の成長が促進されれば、組織全体のパフォーマンスが向上します。継続的に取り組めば、部下の成長が一段と促進され、組織パフォーマンスがさらに向上するという好循環が生まれ、組織力がますます強化されていきます。

1on1ミーティングの効果

次に、1on1ミーティングの効果を見ていきましょう。

【1on1ミーティングの効果】

・組織の心理的安全性を高める
・部下との信頼関係を深める
・部下のエンゲージメントを向上させる

詳しく解説します。

組織の心理的安全性を高める

1on1ミーティングは、組織の心理的安全性を高める効果があります。心理的安全性とは、全ての従業員が立場や人間関係を気にすることなく、安心して発言できる状態のことです。1on1ミーティングは、上司と部下が双方向かつ本音でコミュニケーションする場。その浸透が、組織の心理的安全性を高めます。

関連記事:心理的安全性を高め、組織の生産性を高めるリーダーとは

部下との信頼関係を深める

1on1ミーティングは、部下との信頼関係を深めます。これも、1on1ミーティングの効果でしょう。1対1の対話は、上司と部下の相互理解を促進します。それは、信頼関係を深めると共に、心理的安全性を高めることにもつながります。

部下のエンゲージメントを向上させる

心理的安全性が高まり、信頼関係が構築された組織環境は、部下のエンゲージメントを向上させるでしょう。高い従業員エンゲージメントは、「離職率の低下」や「生産性の向上」につながり、組織力を強化させます。

関連記事:従業員エンゲージメントとは

1on1は効果ない?失敗しないための注意点

効果の一方で、独自の難しさがあり「1on1ミーティングは効果ない」という声があるのも事実です。ここでは、1on1ミーティングを失敗しないための注意点を解説します。

【1on1ミーティングを失敗しないための注意点】

・一方的なコミュケーションにならないこと
・定期的かつ継続的に実施すること
・必ず行動につなげること

ひとつずつ見ていきましょう。

一方的なコミュケーションにならないこと

1on1ミーティングは、上司の一方的なコミュニケーションにならないことが重要です。双方向のコミュニケーションが1on1のベース。これが一方的なになっては、それこそ「効果ない」となってしまいます。

1on1ミーティングは、「部下に考えさせる」ことに意味があります。意識すべきは、「指導」ではなく「支援」です。それには、「部下に話してもらう」ことが必須。安易に解決策を与えたり、上司に依存したりしない関わり方が1on1の効果を最大化し、部下の成長を促進します。

定期的かつ継続的に実施すること

1on1ミーティングは、定期的かつ継続的に実施してこそ効果が高まります。逆に言うと、成果が出るまでには、ある程度時間がかかります。この点を従業員全体で共有し、理解を深めておくことが重要です。

必ず行動につなげること

1on1ミーティングは、「やりっ放し」では意味がありません。目的は、部下の成長を促進することです。実施後は、必ず行動につなげるようにサポートを行います。今後の目標を共有することはもちろん、次のステップに踏み出しやすいように環境を整備し、部下の行動を支援することが重要です。

関連記事:1on1ミーティングは意味ない?失敗する理由や効果を高める進め方を解説

1on1ミーティングの効果を高めるポイント

それでは、1on1ミーティングの効果を高めるポイントを解説しましょう。

【1on1ミーティングの効果を高めるポイント】

・1on1の目的を共有する
・サーベイを実施し部下の状態を把握する
・傾聴を心がける
・「コーチング・ティーチング・フィードバック」を使い分ける
・アジェンダを設定する

詳しく見ていきます。

1on1の目的を共有する

実施にあたっては、まず1on1の目的を共有することが必須です。「何のために1on1を実施するのか」「どのような効果があるのか」、説明会を開き、すべての従業員で1on1の目的を共有します。

組織サーベイを実施し部下の状態を把握する

1on1ミーティングの効果を高めるには、従業員の「現在地」を知ることが重要です。現在地が分からなければ、どこに進めばよいか判断できません。そのためにも、組織サーベイを実施し部下の状態を把握する必要があります。

組織サーベイとは、従業員の状態を可視化するアンケート調査のことです。アンケート調査によって、部下の「現在地」を明確化。1on1ミーティングで、部下と共に成長への方向性を考えることが可能になります。

関連記事:組織サーベイとは?目的や種類、ツール別の質問項目を解説

傾聴を心がける

1on1ミーティングでは、傾聴を心がけましょう「相槌をうつ」「共感する」「受け入れる」「視線や表情を意識する」など、傾聴スキルが双方向のコミュニケーションを深めます。「しっかり話を聴いてもらっている」という感覚が話しやすさにつながり、部下の本音を引き出します。

「コーチング・ティーチング・フィードバック」を使い分ける

1on1ミーティングでは、「コーチング・ティーチング・フィードバック」を使い分けます

コーチング
傾聴や対話によって部下の答えを引き出し、問題解決や行動変容を促すこと。

ティーチング
部下に対して、上司が持つ「ノウハウ・知識・スキル・情報」を提供すること。

フィードバック
部下の行動や結果に対してアドバイスや評価を伝え、行動方針を共有すること。

上司は、「コーチング・ティーチング・フィードバック」を使い分け、部下のネクストアクションを喚起することが求められます。「コーチング・ティーチング・フィードバック」のスキルは、傾聴スキルと共に、研修による技法の習得を検討すべきでしょう。

アジェンダを設定する

1on1のアジェンダとは、ミーティングで話す「テーマ」「話題」「ネタ」のことです。限られた時間内に、1on1ミーティングの効果を最大化するには、アジェンダを設定することが不可欠といえます。

1on1のアジェンダは、大きく「相互理解・業務・将来」に関することに分かれます。双方向のコミュニケーションを活性化させるためにも、事前にアジェンダを設定し、共有することが重要です。

尚、アジェンダは上司と部下のどちらが設定してもOKです。部下の主体性を向上させたい場合は、部下に設定を任せるのもひとつの方法といえるでしょう。

1on1ミーティングのアジェンダと効果的な質問例

では、「相互理解・業務・将来」に関するアジェンダの具体例、またそれに紐づく効果的な質問例を紹介します。

相互理解に関するアジェンダの具体例と質問例

相互理解に関するアジェンダは、「プライベート・健康状態・モチベーション」などです。

業務に関するアジェンダの具体例と質問例

業務に関するアジェンダは、「業務内容・業務改善・心がけ」などです。

将来に関するアジェンダの具体例と質問例

将来に関するアジェンダは、「目標設定・キャリアプラン・能力開発」などです。

最後に

ビジネスを取り巻く環境変化が激しい時代。課題をクリアするには、チームメンバー同士の結束が求められます。その関係構築に、1on1ミーティングは極めて有効です。1on1ミーティングを効果的に活用し、強い組織を作っていきたいものです。

ただそれには、本文でも触れたように、組織サーベイを実施し従業員の状態を把握する必要があります。組織サーベイは、自社で実施することも可能です。しかし、「手間・時間・ノウハウ」が必要になるため、自力で行った場合、十分な結果が得られない恐れがあります

組織サーベイを外部に委託するとコストが発生します。ただ、「手間・時間・ノウハウ」といったハードルをクリアし十分な結果を得るには、やはり専門の調査会社に外部委託するのがベターな選択といえるでしょう。

リアルワン株式会社は、組織サーベイを専門に行う調査会社です。信頼性の担保された「従業員満足度調査(ES調査)」「エンゲージメントサーベイ」「360度評価」で、従業員の状態を定量的に可視化し、組織活性化に向けたネクストアクションをサポートします。

効果的な1on1ミーティングは、まず従業員の状態の把握から。1on1ミーティングで部下の成長を促進し、強い組織を作りたいとお考えの企業様は、ぜひリアルワンの組織サーベイをご活用ください。

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