部下の成長を促進し、組織力を強化する取り組みとして「1on1ミーティング」が注目されています。しかし、その一方で「1on1ミーティングは意味ない」といった意見があるのも事実です。
なぜ、そのような意見が出てしまうのでしょうか。本記事では、その理由を、1on1ミーティングの失敗例とそのデメリットをあげながら考察し、効果的な進め方を解説します。
【本記事で得られる情報】
・1on1ミーティングが「意味ない」と言われる理由
・1on1ミーティングの失敗例
・1on1ミーティングの失敗が招くデメリット
・1on1ミーティングの効果的な進め方
目次
1on1ミーティングが「意味ない」と言われる理由

1on1ミーティングは、なぜ“意味ない”と言われてしまうのでしょうか。ここでは、その理由を考察します。
【1on1ミーティングが「意味ない」と言われる理由】
・1on1の目的が共有されていない
・コミュニケーションが一方的
・評価面談や指示の場になっている
・1on1の実施頻度が少なく散発的
詳しく見ていきましょう。
1on1の目的が共有されていない
1on1の目的が共有されていない場合、“意味ない”と言われてしまいます。何のために1on1ミーティングを実施するのか、その目的が上司と部下で共有されていなければコミュニケーションが深まらず、期待する効果が得られなくなってしまいます。
コミュニケーションが一方的
コミュニケーションが一方的になっては、“意味ない”と言われてもしかたがないでしょう。1on1ミーティングは、上司と部下が双方向でコミュニケーションする場です。それにもかかわらず、上司が一方的に話をする場になっては、部下にとって全く意味のない取り組みになってしまいます。
評価面談や指示の場になっている
評価面談や指示の場になっている場合も、“意味ない”と言われてしまいます。1on1ミーティングと評価面談は、似て非なるものです。当然、指示をする場でもありません。1on1ミーティングは、部下の成長を支援する場であり、その認識を社内で共有することが重要です。
関連記事:1on1ミーティングと評価面談の違い
1on1の実施頻度が少なく散発的
1on1の実施頻度が少なく散発的な場合も、“意味ない”と言われる可能性が高くなります。1on1ミーティングは、定期的かつ継続的に行ってこそ効果を発揮する取り組みです。実施頻度が少なく散発的では、効果が上がり難く、実施する意味を見いだせなくなってしまいます。
関連記事:1on1ミーティングとは?効果や目的、失敗しないコツと質問例を解説
1on1ミーティング“よくある”失敗例

ではここで、1on1ミーティングの“よくある”失敗例を見ていきましょう。
【1on1ミーティングの“よくある”失敗例】
・スケジュールが確保できない
・ミーティングの「ネタ」がなくなる
・実施にストレスを感じる
・「やりっ放し」になっている
ひとつずつ解説します。
スケジュールが確保できない
上司も部下も業務が忙しく、実施のスケジュールが確保できないケースです。「急な会議が入った」「クライアントから呼び出された」などの理由で、スケジュールの変更を余儀なくされるのも、ありがちなケースでしょう。
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ミーティングの「ネタ」がなくなる
1on1ミーティングの「ネタ」がなくなるのも、よくある失敗例です。「どんなテーマで話をするのかネタがない」「ネタがなくなり、業務確認が中心になってしまう」など、「ネタ」にまつわる失敗例は1on1の定番といえます。
実施にストレスを感じる
1on1ミーティングは、日常業務を行いながらスケジューリングするため、上司と部下が実施にストレスを感じるケースもあります。部下の成長、そして組織力の強化のためにある1on1が、従業員のストレスになっては本末転倒。失敗につながります。
「やりっ放し」になっている
1on1が「やりっ放し」になっているのも、失敗例のひとつでしょう。「1on1での気づきを業務に活かせていない」「目標を行動に移せない」「実践できる環境が整っていない」など、「やりっ放し」は失敗につながります。
1on1ミーティングが失敗するとどうなる?1on1のデメリット

1on1ミーティングが失敗するとどうなるのでしょうか。ここでは、1on1ミーティングの失敗が招くデメリットを見ていきましょう。
【1on1ミーティングの失敗が招くデメリット】
・時間が無駄になる
・上司と部下の関係性が悪化する
・部下の成長や行動変容につながらない
・従業員エンゲージメントが低下する
詳しく解説します。
時間が無駄になる
1on1ミーティングが失敗すれば、時間が無駄になるのは言うまでもありません。時間がかかるのは、ミーティング時だけではありません。事前準備やスケジューリングなどの手間を考えれば、時間のロスは極めて大きく、組織にとって大きな損失となります。
上司と部下の関係性が悪化する
1on1ミーティングがうまくいかなかった結果、上司と部下の関係性が悪化する恐れがあります。「話を聴いてくれない」「何も話せなかった」など、一方的なコミュニケーションに部下は不満をつのらせます。これでは、双方の間に溝が広がると共に、1on1の大きな効果である心理的安全性を高めることもできません。
関連記事:心理的安全性とは
部下の成長や行動変容につながらない
1on1ミーティングが失敗すれば、部下の成長や行動変容を促すことができません。成長や行動変容には、気づきが必要です。1on1がうまくいかず、部下の気づきが深まらなければ、成長や行動変容も期待できなくなってしまいます。
従業員エンゲージメントが低下する
1on1ミーティングが失敗した場合、従業員エンゲージメントが低下する可能性があります。従業員エンゲージメントは、上司と部下の良好な関係性、また組織との強いつながりの中で高まります。それを構築するのが1on1です。その失敗は、従業員エンゲージメントの低下につながりかねません。
関連記事:従業員エンゲージメントとは
1on1ミーティングの効果的な進め方

見てきたように、1on1ミーティングの失敗は様々なデメリットを招きます。では、どうすれば効果を高めることができるのでしょうか。ここでは、1on1ミーティングの効果的な進め方を解説します。
【1on1ミーティングの効果的な進め方】
1.組織サーベイを利用し部下の現状を把握する
2.心の準備を整える
3.「場」の雰囲気を作る
4.部下の話を傾聴し共感する
5.質問する
6.部下の内省を促す
7.行動目標を共有する
ひとつずつ見ていきましょう。
1.組織サーベイを利用し部下の現状を把握する
1on1ミーティングを効果的に進めるには、従業員の状態を理解する必要があります。そのためにも、まず組織サーベイを利用し部下の現状を把握しましょう。組織サーベイとは、従業員の状態を明確にするアンケート調査のことです。部下の「今」を理解することで、1on1がよりスムーズになります。
関連記事:組織サーベイとは?目的や種類、ツール別の質問項目を解説
2.心の準備を整える
1on1をスムーズに進めるためにも、心の準備を整えましょう。「部下に対して誠実であること」「部下の話を傾聴すること」「部下の立場に立つこと」、この3つを忘れてはなりません。心の準備を整えるためにも、スケジュール調整は重要です。双方が、時間的なゆとりを持って1on1に臨めるようにスケジュールを調整します。
3.「場」の雰囲気を作る
1on1ミーティングは、「場」の雰囲気を作ることが重要です。部下がリラックスできる「場」でなければ、本音を引き出すことはできません。いきなり本題に入るのはNGです。雑談やアイスブレイクを挟み、上司が自己開示することで部下の安心感も高まり、リラックスした雰囲気を作ることができます。
4.部下の話を傾聴し共感する
部下の話を傾聴し共感することが、効果的な1on1ミーティングにつながります。1on1は、「指導」ではなく「支援」する場です。教え諭したり、押しつけたりは絶対NG。部下に話してもらい、その話を傾聴し、共感を示すことが信頼関係を育み、1on1をより効果的な取り組みにします。
5.質問する
1on1ミーティングで効果をあげるためにも、クオリティの高い質問を心がけましょう。質問のクオリティは、部下の内省を促す上でも重要です。
質問には、「オープンクエスチョン」と「クローズドクエスチョン」の2種類があります。オープンクエスチョンは、「答えの範囲を限定せず、自由に答えてもらう質問」です。一方、クローズドクエスチョンは、「“はい・いいえ”などで答えられる、回答の範囲を限定した質問」です。
1on1では、オープンクエスチョンを中心に、部下の話を引き出すことを意識します。その中で、答えやすいクローズドクエスチョンを交え、部下が回答に困らない1on1を目指します。
6.部下の内省を促す
1on1ミーティングでは、部下の内省を促すことが重要です。内省とは、経験を振り返り、そこから自分を見つめ直す行為のことです。内省による新たな気づきは、部下の自己理解を深めると共に、成長に向けてのインセンティブにもなります。
部下の内省を促すには、質問に対する回答を深掘りします。ここでいう深掘りとは、部下の回答に対して、さらなる問いかけを行うことです。回答の中から、キーとなる出来事や感情に焦点を当て、さらに問いかけを行う。この繰り返しが、部下の思考を深め、内省を促します。
ただし、過剰な問いかけは「尋問」と受け取られかねません。1回の1on1で、1~2個のキーに焦点を当て、“ほどほど”に深掘りするのが内省を促すポイントです。
7.行動目標を共有する
1on1ミーティングは、「やりっ放し」では意味がありません。ネクストアクションに向け、必ず行動目標を共有しましょう。実施後のサポートも必須です。行動目標を実現しやすいように環境を整備し、部下の目標達成を支援します。
共有した行動目標を達成できれば、1on1がストレスになることもありません。行動目標の共有による、「共に歩む」といった意識の醸成は、上司と部下の信頼関係を深め、組織力の強化につながっていきます。
最後に~従業員の意識改革が1on1の効果を高める

1on1ミーティングの効果を高めるには、従業員の意識改革が必須。「会社にとって、なぜ1on1が重要なのか」といったベースとなる部分を丁寧に説明し、1on1の位置づけを浸透させる必要があります。
それには、経営層からのメッセージが不可欠です。経営層には、社内における1on1の位置づけを明確にすることが求められます。
加えて重要になるのが、部下の現状を把握すること。それに、組織サーベイが有効であるのは本文で述べた通りです。組織サーベイを自力で行うことは不可能ではありません。ただ、「手間や時間」「専門的なノウハウ」が必要になるため、自力で行うと期待した結果が得られない可能性があります。
組織サーベイを専門の調査会社に委託すると、費用が発生するのは事実です。しかし、「手間や時間」、そして「専門的なノウハウ」といった問題をクリアし、期待に見合った結果を得るには、やはり専門の調査会社に委託することをおすすめします。
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