1on1ミーティングは意味ない?失敗する理由や効果を高める進め方を解説

部下の成長を促進し、組織力を強化する取り組みとして「1on1ミーティング」が注目されています。しかし、その一方で「1on1ミーティングは意味ない」といった意見があるのも事実です。

なぜ、そのような意見が出てしまうのでしょうか。本記事では、その理由を、1on1ミーティングの失敗例とそのデメリットをあげながら考察し、効果的な進め方を解説します。

【本記事で得られる情報】

・1on1ミーティングが「意味ない」と言われる理由
・1on1ミーティングの失敗例
・1on1ミーティングの失敗が招くデメリット
・1on1ミーティングの効果的な進め方

この記事を監修した人
青山 愼
青山 愼

立命館大学経済学部卒業。早稲田大学ビジネススクールでMBAを取得。在学中に、「組織学習」や「個人の知の獲得プロセス」に関する研究を経て、リアルワン株式会社を設立。企業や組織が実施する各種サーベイ(従業員満足度調査・360度評価・エンゲージメントサーベイ等)をサポートする専門家として活動。現在は累計利用者数が100万人を超え、多くの企業や組織の成長に携わる。

1on1ミーティングが「意味ない」と言われる理由

1on1ミーティングは、なぜ“意味ない”と言われてしまうのでしょうか。ここでは、その理由を考察します。

【1on1ミーティングが「意味ない」と言われる理由】

・1on1の目的が共有されていない
・コミュニケーションが一方的
・評価面談や指示の場になっている
・1on1の実施頻度が少なく散発的

詳しく見ていきましょう。

1on1の目的が共有されていない

1on1の目的が共有されていない場合、“意味ない”と言われてしまいます。何のために1on1ミーティングを実施するのか、その目的が上司と部下で共有されていなければコミュニケーションが深まらず、期待する効果が得られなくなってしまいます

コミュニケーションが一方的

コミュニケーションが一方的になっては、“意味ない”と言われてもしかたがないでしょう。1on1ミーティングは、上司と部下が双方向でコミュニケーションする場です。それにもかかわらず、上司が一方的に話をする場になっては、部下にとって全く意味のない取り組みになってしまいます。

評価面談や指示の場になっている

評価面談や指示の場になっている場合も、“意味ない”と言われてしまいます。1on1ミーティングと評価面談は、似て非なるものです。当然、指示をする場でもありません。1on1ミーティングは、部下の成長を支援する場であり、その認識を社内で共有することが重要です。

関連記事:1on1ミーティングと評価面談の違い

1on1の実施頻度が少なく散発的

1on1の実施頻度が少なく散発的な場合も、“意味ない”と言われる可能性が高くなります。1on1ミーティングは、定期的かつ継続的に行ってこそ効果を発揮する取り組みです。実施頻度が少なく散発的では、効果が上がり難く、実施する意味を見いだせなくなってしまいます。

関連記事:1on1ミーティングとは?効果や目的、失敗しないコツと質問例を解説

1on1ミーティング“よくある”失敗例

ではここで、1on1ミーティングの“よくある”失敗例を見ていきましょう。

【1on1ミーティングの“よくある”失敗例】

・スケジュールが確保できない
・ミーティングの「ネタ」がなくなる
・実施にストレスを感じる
・「やりっ放し」になっている

ひとつずつ解説します。

スケジュールが確保できない

上司も部下も業務が忙しく、実施のスケジュールが確保できないケースです。「急な会議が入った」「クライアントから呼び出された」などの理由で、スケジュールの変更を余儀なくされるのも、ありがちなケースでしょう。

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ミーティングの「ネタ」がなくなる

1on1ミーティングの「ネタ」がなくなるのも、よくある失敗例です。「どんなテーマで話をするのかネタがない」「ネタがなくなり、業務確認が中心になってしまう」など、「ネタ」にまつわる失敗例は1on1の定番といえます。

実施にストレスを感じる

1on1ミーティングは、日常業務を行いながらスケジューリングするため、上司と部下が実施にストレスを感じるケースもあります。部下の成長、そして組織力の強化のためにある1on1が、従業員のストレスになっては本末転倒。失敗につながります。

「やりっ放し」になっている

1on1が「やりっ放し」になっているのも、失敗例のひとつでしょう。「1on1での気づきを業務に活かせていない」「目標を行動に移せない」「実践できる環境が整っていない」など、「やりっ放し」は失敗につながります。

関連記事:1on1の効果を高める1on1ミーティングシート

1on1ミーティングが失敗するとどうなる?1on1のデメリット

1on1ミーティングが失敗するとどうなるのでしょうか。ここでは、1on1ミーティングの失敗が招くデメリットを見ていきましょう。

【1on1ミーティングの失敗が招くデメリット】

・時間が無駄になる
・上司と部下の関係性が悪化する
・部下の成長や行動変容につながらない
・従業員エンゲージメントが低下する

詳しく解説します。

時間が無駄になる

1on1ミーティングが失敗すれば、時間が無駄になるのは言うまでもありません。時間がかかるのは、ミーティング時だけではありません。事前準備やスケジューリングなどの手間を考えれば、時間のロスは極めて大きく、組織にとって大きな損失となります。

上司と部下の関係性が悪化する

1on1ミーティングがうまくいかなかった結果、上司と部下の関係性が悪化する恐れがあります。「話を聴いてくれない」「何も話せなかった」など、一方的なコミュニケーションに部下は不満をつのらせます。これでは、双方の間に溝が広がると共に、1on1の大きな効果である心理的安全性を高めることもできません。

関連記事:心理的安全性とは

部下の成長や行動変容につながらない

1on1ミーティングが失敗すれば、部下の成長や行動変容を促すことができません成長や行動変容には、気づきが必要です。1on1がうまくいかず、部下の気づきが深まらなければ、成長や行動変容も期待できなくなってしまいます。

従業員エンゲージメントが低下する

1on1ミーティングが失敗した場合、従業員エンゲージメントが低下する可能性があります。従業員エンゲージメントは、上司と部下の良好な関係性、また組織との強いつながりの中で高まります。それを構築するのが1on1です。その失敗は、従業員エンゲージメントの低下につながりかねません。

関連記事:従業員エンゲージメントとは

1on1ミーティングの効果的な進め方

見てきたように、1on1ミーティングの失敗は様々なデメリットを招きます。では、どうすれば効果を高めることができるのでしょうか。ここでは、1on1ミーティングの効果的な進め方を解説します。

【1on1ミーティングの効果的な進め方】

1.組織サーベイを利用し部下の現状を把握する
2.心の準備を整える
3.「場」の雰囲気を作る
4.部下の話を傾聴し共感する
5.質問する
6.部下の内省を促す
7.行動目標を共有する

ひとつずつ見ていきましょう。

1.組織サーベイを利用し部下の現状を把握する

1on1ミーティングを効果的に進めるには、従業員の状態を理解する必要があります。そのためにも、まず組織サーベイを利用し部下の現状を把握しましょう組織サーベイとは、従業員の状態を明確にするアンケート調査のことです。部下の「今」を理解することで、1on1がよりスムーズになります。

関連記事:組織サーベイとは?目的や種類、ツール別の質問項目を解説

2.心の準備を整える

1on1をスムーズに進めるためにも、心の準備を整えましょう「部下に対して誠実であること」「部下の話を傾聴すること」「部下の立場に立つこと」、この3つを忘れてはなりません。心の準備を整えるためにも、スケジュール調整は重要です。双方が、時間的なゆとりを持って1on1に臨めるようにスケジュールを調整します。

3.「場」の雰囲気を作る

1on1ミーティングは、「場」の雰囲気を作ることが重要です。部下がリラックスできる「場」でなければ、本音を引き出すことはできません。いきなり本題に入るのはNGです。雑談やアイスブレイクを挟み、上司が自己開示することで部下の安心感も高まり、リラックスした雰囲気を作ることができます。

4.部下の話を傾聴し共感する

部下の話を傾聴し共感することが、効果的な1on1ミーティングにつながります。1on1は、「指導」ではなく「支援」する場です。教え諭したり、押しつけたりは絶対NG。部下に話してもらい、その話を傾聴し、共感を示すことが信頼関係を育み、1on1をより効果的な取り組みにします。

5.質問する

1on1ミーティングで効果をあげるためにも、クオリティの高い質問を心がけましょう。質問のクオリティは、部下の内省を促す上でも重要です。

質問には、「オープンクエスチョン」と「クローズドクエスチョン」の2種類があります。オープンクエスチョンは、「答えの範囲を限定せず、自由に答えてもらう質問」です。一方、クローズドクエスチョンは、「“はい・いいえ”などで答えられる、回答の範囲を限定した質問」です。

1on1では、オープンクエスチョンを中心に、部下の話を引き出すことを意識します。その中で、答えやすいクローズドクエスチョンを交え、部下が回答に困らない1on1を目指します。

6.部下の内省を促す

1on1ミーティングでは、部下の内省を促すことが重要です。内省とは、経験を振り返り、そこから自分を見つめ直す行為のことです。内省による新たな気づきは、部下の自己理解を深めると共に、成長に向けてのインセンティブにもなります

部下の内省を促すには、質問に対する回答を深掘りします。ここでいう深掘りとは、部下の回答に対して、さらなる問いかけを行うことです。回答の中から、キーとなる出来事や感情に焦点を当て、さらに問いかけを行う。この繰り返しが、部下の思考を深め、内省を促します。

ただし、過剰な問いかけは「尋問」と受け取られかねません。1回の1on1で、1~2個のキーに焦点を当て、“ほどほど”に深掘りするのが内省を促すポイントです。

7.行動目標を共有する

1on1ミーティングは、「やりっ放し」では意味がありません。ネクストアクションに向け、必ず行動目標を共有しましょう実施後のサポートも必須です。行動目標を実現しやすいように環境を整備し、部下の目標達成を支援します。

共有した行動目標を達成できれば、1on1がストレスになることもありません。行動目標の共有による、「共に歩む」といった意識の醸成は、上司と部下の信頼関係を深め、組織力の強化につながっていきます。

最後に~従業員の意識改革が1on1の効果を高める

セミナー

1on1ミーティングの効果を高めるには、従業員の意識改革が必須。「会社にとって、なぜ1on1が重要なのか」といったベースとなる部分を丁寧に説明し、1on1の位置づけを浸透させる必要があります。

それには、経営層からのメッセージが不可欠です。経営層には、社内における1on1の位置づけを明確にすることが求められます。

加えて重要になるのが、部下の現状を把握すること。それに、組織サーベイが有効であるのは本文で述べた通りです。組織サーベイを自力で行うことは不可能ではありません。ただ、「手間や時間」「専門的なノウハウ」が必要になるため、自力で行うと期待した結果が得られない可能性があります

組織サーベイを専門の調査会社に委託すると、費用が発生するのは事実です。しかし、「手間や時間」、そして「専門的なノウハウ」といった問題をクリアし、期待に見合った結果を得るには、やはり専門の調査会社に委託することをおすすめします

リアルワン株式会社は、組織サーベイを専門に行う調査会社です。信頼性の担保された従業員満足度調査(ES調査)」「エンゲージメントサーベイ」「360度評価」で、従業員の現状を定量的かつ定性的に可視化し、組織の活性化をサポートします。

部下の現状を把握し、効果的な1on1ミーティングを実施したいとお考えの人事担当者の方は、ぜひリアルワンの組織サーベイをご活用ください。

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