2020.11.04
シリーズ
女性管理職~それぞれのStory~
COLUMN
360度評価
ふくりんごさんのStory
<ヨガのインストラクター→本社での運営業務→部長>
働き方の多様化が推進されるなか、女性管理職が活躍する職場も増えてきました。しかし一方で、結婚・出産・育児と目まぐるしくライスステージが変化する女性にとって、キャリアアップは手放しで喜べないという実状もあります。また、2020年のコロナウイルス感染症の影響により、職場環境は一変しました。
このシリーズでは、仕事とプライベートとの両立に戸惑う女性たちに向け、実際に女性管理職として活躍する女性たちのリアルなエピソードを紹介します。女性リーダーたちがどんなことに悩み、どのような選択をしてきたのかを知ることで、一歩を踏み出すヒントが得られれば幸いです。
リアルワン株式会社では、マネジメント力向上に貢献する「360度評価サービス」を提供しています。女性たちが“自分らしい働き方”を実現できるよう、当社ではさまざまな角度からの提案・サポートを行っています。
今回のゲスト:ふくりんご様(36歳)
プロフィール:専門学校を卒業後、スポーツ関連事業を行う会社でヨガのインストラクターを10年。その後、本社に異動となり運営業務を2年。チームリーダー、グループ長を経て部長に昇進。
【現在の仕事】
スポーツ関連会社にて運営業務の管理職
【これまでのキャリア】
・専門学校を卒業後、スポーツ関連会社に就職(3,000人規模)
・ヨガインストラクターを経験後、本社の運営業務に異動
・35歳のときに部長に昇進
【目次】
1. 裁量査定での結果を受けてグループ長から部長へと昇進
2. 管理職になり女性の目線から働きやすい職場環境を作りやすくなった
3. コロナ禍でリモートワークの可能性を実感
4. 仕事と家庭を両立できなくなったら家庭を優先する
5. 仕事だけが人生ではない。変化に柔軟に対応できる人でありたい
6. やりがいと自分の思いを貫きたいなら目指すべきポジション
Story
1. 裁量査定での結果を受けてグループ長から部長へと昇進
専門学校を卒業後、スポーツ関連会社にてヨガのインストラクターを10年間務めました。その後、本社の運営部門に異動し、チームリーダーに昇格します。このころから部長職を目指し、与えられた以上の仕事を率先して行うようにしていました。
私の会社では年に1回、匿名で行うアンケート結果をキャリアに反映させる裁量査定というものがあります。ありがたいことにチームメンバーから良い評価をいただけたため、当時の部長からキャリアアップを打診され、グループ長を1年、次いで部長へと1年ごとに昇進できました。
部長になると管理するメンバーが30人以上になるので、最初は私に務まるのか不安でしたが、上司や同僚の協力、アドバイスを仰ぎながら業務を行いました。大変だったのは、関わる人数が増えたことでマネジメントが複雑になったこと、また、責任が重くなったことです。部下の精神面のケアや社内会議など、やることも多くなり、慣れるまでは苦労しました。
大きな変化は給与がアップしたことですが、業務が増えた割には、思っていたよりも昇給額は少なかったです。仕事自体は自分の裁量でやりくりするので、うまく時間を使えば残業はほとんどせずに済みます。
2. 管理職になり女性の目線から働きやすい職場環境を作りやすくなった
運営部門の部長としての仕事内容は、インストラクターの育成に関わる管理業務全般です。一般インストラクターからトレーナーへと異動する人材の選抜、インストラクター育成研修の内容やスケジュールの作成、お客様満足度向上のための戦略、インストラクターの取得プログラム管理などをまとめています。また、他部署と連携して、研修内容をどのように変えていくかを判断するのも部長としての仕事です。
管理職になって良かったと感じたのは、自分の意見を通しやすくなったこと。それまでは仕事の効率化を訴えても流されて終わることが多かったのですが、決定権を与えられので、メンバーからの提案をどんどん聞き入れながら効率化を図れるようになりました。
女性が多い職場なので、女性管理職が増えることは他の社員にとってもキャリアアップの目標になります。また、女性の目線から業務のやり方を考えることができるので、結婚や子育てをする方が働きやすい環境を作りやすくなったと思います。ただ、女性は感情を優先しがちなところがあるので、仕事では理性的・論理的に考えて行動するよう心がけています。
3. コロナ禍でリモートワークの可能性を実感
新型コロナウイルス感染症の影響で当社でもリモートワークが増え、社員同士のコミュニケーションが減りました。そのぶん、LINEなどを使って近況報告をするなど、交流の機会を意識的に作るようにしています。
同時に、今回のことで必ずしも出社が必要ではないことがわかったのは大きかったと感じています。たとえば、子育て中の方などはリモートで業務を行えるようにするなど、それぞれのライフスタイルに合わせた働き方を選択できるようにすれば、女性がもっともっと働きやすくなるのではと思いました。
「仕事は出社して行うもの」という固定観念は、そろそろなくすべきなのかもしれません。Zoomなどのオンラインシステムを駆使すれば会議は行えますし、必要最小限の出社に留めることができるようになると、趣味や自分のために使える時間が増えます。
自分の人生を充実させるという意味でも、リモートワークの利点を見出すきっかけになりました。また、今回のように予測不可能な事態は今後も考えられるので、ひとつの会社に依存するのではなく、副業で収入源を得ておいたほうが安全かもしれないなと実感しました。
4. 仕事と家庭を両立できなくなったら家庭を優先する
私は現在独身ですが、結婚したいと考えています。今の管理職の仕事は大変ではありますが、残業も少なく、プライベートの時間も取りやすいので障壁になることはほとんどありません。ただ、責任を背負っている業務が多数あるので、出産に関しては計画的に考える必要があります。
当社の場合、管理職で産休に入った人も復帰後はもとのポストに戻っているので、妊娠・出産後も活躍しやすい職場だと思います。環境面に不安はありませんが、それよりも私自身の年齢や精力面で仕事と育児を両立できるかが心配です。
今後のことはまだ決めていませんが、流れに任せつつ、その都度考え行動していこうと思っています。もし家庭を犠牲にしなければならない状況になったら、管理職よりも家庭を優先するだろうと思います。
現在は仕事に3割ほどの時間を割き、残りはパートナーとの時間や自分のために使っています。理想的な形が作れていると思っています。
5. 仕事だけが人生ではない。変化に柔軟に対応できる人でありたい
今のところ、できる限り定年まで働きたいと思っていますが、若い世代のアイデア力や行動力に期待してポストを譲るということも検討するかもしれません。チャンスがあれば他部署に異動して経験を積むなど、今のポジションに固執せずに好奇心を持ち続けたいと考えています。
5年後の自分がどうありたいかを考えると、やはり結婚、出産が頭に浮かびます。ライフスタイルが変化すると、今まで通り精力的に働くことはできないかもしれませんが、仕事だけが人生ではないですから。管理職としての自分にとらわれることなく、その時々で大切なものをしっかり見極め行動していきたいと思っています。
結婚や出産をきっかけに新しい働き方をしたくなることもあると思うので、ライフスタイルの変化に柔軟に対応できる人でありたいですね。
6. やりがいと自分の思いを貫きたいなら目指すべきポジション
女性が管理職を目指すなら、つねに一歩先を見ながら行動し、周りが何を求めているのかキャッチする能力を身につけることが大切だと思います。さまざまな人と関わるポジションなので、自分の意見にこだわらず、他者の意見に耳を傾ける姿勢を持つことが信頼を得るポイントになります。
管理職はやりがいがあるぶん、責任も重くなります。ときにストレスが溜まりますが、自分の好きなことをするなどして上手に発散しましょう。つらくなったり悩みができたりしたときは一人で抱え込まず、周囲の人に相談する勇気を持つことも大切です。
自分のやりたいことを実現できることも管理職の利点といえます。やりがいと自分の思いを貫きたいなら、ぜひ目指してほしいポジションだと思います。
まとめ
チームメンバーからのアンケート結果によって部長職までキャリアを進めることができたという、ふくりんごさん。メンバーの意見を拾い上げながら業務効率化を図るなど、女性管理職としてチームをまとめるエピソードが印象的です。
また、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、逆に新しい働き方の可能性を感じたという話に共感した方も多いのではないでしょうか。好奇心を持ち続け、変化に柔軟に対応できる人でありたいとも語ってくれた、ふくりんごさん。キャリアアップだけでなく、自身の充実を目指したい女性にとって、大いに参考になるでしょう。
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