人事評価における「目標設定」は、従業員の成長と組織の発展を左右する「鍵」になるものです。しかし、「どう設定させるかポイントが分からない」と頭を悩ませる人事担当者や管理職の方も多いことでしょう。
そこで本記事では、目標設定のメリットや設定に活用できるフレームワーク「SMARTの法則」、そして職種別の例文を紹介します。合わせて、注意点と目標を「管理・評価」する手法を解説しますので、ぜひ参考にしてください。
【本記事で得られる情報】
・人事評価における目標設定の意味と重要性
・人事評価における目標設定のメリット
・目標設定のフレームワーク「SMARTの法則」について
・“職種別”目標設定の例文
・人事評価における目標設定の注意点
・設定した目標を「管理・評価」する手法
目次
人事評価における目標設定とは?

まずは、人事評価における目標設定の意味について解説します。人事評価とは、従業員の能力や実績、会社への貢献度を評価し、処遇に反映させる制度のことです。人事評価制度は、「等級制度・評価制度・報酬制度」の3つで構成され、相互に連動することで成り立っています。
人事評価制度のもとで、給与をアップさせたい従業員がいれば、ポジションを上げたい従業員もいるでしょう。それには、目標となる数値や取り組み、仕事への向き合い方を決め(目標設定)、高い評価を得るために行動する必要があります。その実績が評価され、処遇に反映されるのです。
このように、人事評価における目標設定とは、目標に向かって行動するための指針であり、評価に不可欠な指標といえるのです。
人事評価における目標設定のメリット

人事評価における目標設定には、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、そのメリットを解説します。
【人事評価における目標設定のメリット】
・やるべきことが明確化できる
・モチベーションが向上する
・スキルアップにつながる
・生産性がアップする
・企業と従業員の相互理解が深まる
ひとつずつ見ていきましょう。
やるべきことが明確化できる
先に述べた通り、目標設定は目標に向かう行動指針となります。目標を設定することで、やるべきことが明確化できるでしょう。
モチベーションが向上する
目標が決まれば、モチベーションが向上するでしょう。目標設定は、ゴールを決めることでもあります。明確になったゴールを目指し、従業員はモチベーションを高め、行動を活性化させるのです。
スキルアップにつながる
設定した目標は、達成することで評価されます。それは、従業員の成長意欲を喚起するでしょう。「目標達成に必要な能力は何か」「どのような経験や資格が求められるのか」。目標設定は、自分自身を見つめ直すことであり、従業員のスキルアップにつながります。
生産性がアップする
目標を設定することで、どのような結果が評価につながるのか把握することができます。そこを目指し、従業員は積極的かつ主体的に行動するのです。従業員の積極的かつ主体的な行動によって、企業の生産性がアップするでしょう。
企業と従業員の相互理解が深まる
目標設定は、企業と従業員の相互理解が深まる機会でもあります。なぜなら、目標設定には、企業理念やビジョンに対する理解が必要であり、従業員の目標を理解し、その能力を最適化することが利益の拡大につながるからです。目標設定を通して、企業と従業員は相互理解を深めているのです。
人事評価の目標設定に役立つフレームワーク「SMART」とは?

人事評価の目標を設定する際、役立つフレームワークがあります。ここでは、目標設定のフレームワーク「SMARTの法則」を紹介します。SMARTの法則とは、次の単語の頭文字をとったものです。
・Specific(具体性):明確かつ具体的である
・Measurable(測定可能):測定可能で定量的に評価できる
・Achievable(達成可能):現実的で達成が可能である
・Relevant(関連性):理念やビジョンに関連し組織の発展に貢献できる
・Time-bound(期限):期限が明確に示されている
目標を決めるにあたって、この5つを意識すれば、より明確な目標設定が可能になるでしょう。
人事評価の目標設定の例~職種別に例文を紹介

それでは、人事評価における目標設定の例を紹介しましょう。職種別に例文を示します。ぜひ、参考にしてください。
営業
営業は、成果が数値化しやすい職種です。期間や行動スケジュールを加え、具体的な目標を設定します。
・新規顧客の獲得件数を前期より15%アップさせる
・顧客満足度を昨年より20%増加させる
・見込み客への訪問件数を1カ月15件から20件に増やす
事務・経理
事務職は数値化が難しいため、改善への取り組みやコスト削減、資格取得などを目標に設定します。
・書類のテンプレート化を進め紙コストの5%削減を図る
・上期中に簿記2級を取得する
・会計システムの導入を具体化し残業時間を10%削減する
技術・エンジニア
技術・エンジニアは、生産工程の効率化や新しいスキル、知識の習得などを目標にします。
・10月までに生産管理システムを立ち上げ歩留まり率を5%アップさせる
・既存システムを改良することで開発コストの10%を削減する
・3カ月以内に業務に必要な資格を取得する
企画・マーケティング
企画・マーケティングは、商品やサービスの開発や情報提供、新しいプロジェクトなどを目標にするとよいでしょう。
・ブランディングを進めるため1週間に5本、SNSへの投稿を徹底する
・6月までに商品開発プロジェクトを立ち上げ今期中に新商品をローンチする
・今期はリピート客の購入率を5%アップさせる
参考:リブランディングとは?企業を成長に導くブランド再構築の全貌
参考:リブランディングの進め方や成功事例を解説!|株式会社Venture Ocean
参考:Web広告事例の成功法則|効果的な手法と実績から学ぶマーケティング戦略 – (株)LIFE PEPPER
看護師・介護士
看護師・介護士は、自分のスキルや役割を念頭に目標を設定します。
・3カ月以内に勤務状況を精査し無駄を省くことで業務効率を改善させる
・1日2時間、時間を作って勉強し介護福祉士に合格する
・新年度はチームワークを強化し利用者に対するサービスを向上させる
保育士
保育士は、子供や保護者との関わりや期待されている役割に関連する目標を設定します。
・子供たちの個性を引き出す関り方を意識して仕事に向き合う
・保護者とのコミュニケーションを徹底し園に対する安心感を高める
・後輩と良好な関係性を維持し働きやすい職場を作る
公務員
公務員は、社会的サービスの質の向上やクレームの削減、コスト意識などを中心に目標を設定します。
・丁寧な説明を心がけることで住民からのクレームをなくす
・啓発ポスターを作成しゴミの不法投棄を10%削減する
・使っていない備品を精査し消耗品のコストを5%削減する
管理職
管理職は、業績アップを中心にマネジメントや人材育成に関する目標を設定します。
・1on1ミーティングを徹底し目標達成率を10%アップさせる
・毎月、スキルアップ研修を実施しチームの売上を10%向上させる
・2週間ごとにランチ会を開いてコミュニケーションの活性化を図る
関連記事:1on1ミーティングとは?効果や目的、失敗しないコツと質問例を解説
人事評価~目標設定の注意点

ここでは、人事評価における目標設定の注意点を解説します。
【人事評価における目標設定の注意点】
・適切な難易度の目標を設定する
・相談しやすい環境を整える
・定期的に目標の振り返りを行う
詳しく見ていきましょう。
適切な難易度の目標を設定する
目標は、難易度が高すぎては達成が困難になり、低すぎては成長につながりません。能力に合った適切な難易度の目標を設定するよう徹底します。
相談しやすい環境を整える
目標を設定するにあたって、相談しやすい環境を整えることが重要です。適切に目標設定ができているのか、本人では判断できないこともあります。気軽に意見を交わせる場を設けることで、目標設定に対する疑問や不安の軽減につながります。
定期的に目標の振り返りを行う
定期的に目標の振り返りを行うことも注意点のひとつです。目標は、「一度設定したら終わり」ではありません。変化が激しい時代です。定期的に振り返りを行い、目標がビジネス環境に即しているのか確認し、状況によっては修正を加えることが求められます。
人事評価の目標管理に活用できる手法

目標を設定したら、それを適切に管理することが重要です。ここでは、人事評価の目標管理に活用できる手法を紹介します。
【人事評価の目標管理に活用できる手法】
・360度評価
・MBO(目標管理制度)
・OKR(目標と主要な成果)
ひとつずつ解説します。
360度評価
360度評価とは、対象者を「上司・同僚・部下・他部署のスタッフ・取引先関係者」といった様々な立場の従業員が多面的(360度方向から)に評価する手法です。上司が部下を一方向的に評価するのではなく、多面的な視点で評価を行うため、対象者の納得感を高めることができます。
360度評価は、評価する際の「評価基準・評価項目」が明確化されているため、評価者による評価のブレを防ぐことができます。人事評価の目標を管理する上でも、公平かつ客観的な視点のチェックが可能になります。
関連記事:360度評価とは?メリットや活用事例、注意点を解説
MBO(目標管理制度)
MBO(Management by Objectives)とは、日本語で「目標管理制度」と訳される目標管理の手法です。その名の通り、従業員が設定した目標の達成度を管理し評価に反映するマネジメント理論になります。ピーター・F・ドラッカーが発表し、日本でも1990年代後半に取り入れられるようになりました。
設定した目標は、社内で共有し管理・評価するため、会社に対する貢献度や自身の成長度合いを実感しやすいのが特徴です。
OKR(目標と主要な成果)
OKR(Objectives and Key Results)は、日本語で「目標と主要な成果」と訳される目標達成を管理するフレームワークです。「組織・チーム・個人」の「目標:Objectives」と「主要な成果:Key Results」を連動させて目標達成を目指します。
OKRは、MBOと併用することで、行動の優先順位が明確になり、目標を管理しやすくなります。目標達成に向けたモチベーションを維持する上でも、有効な手法といえるでしょう。
関連記事:人事評価制度の種類とメリットデメリット
参考記事:人事・評価制度を考えるときに参考にしたい情報源・メディア
最後に

見てきたように、人事評価における目標設定は、従業員の成長と組織の発展を左右する「鍵」になります。ただし、それには目標を適切に「管理・評価」する取り組みが不可欠です。
本コラム「ソシキビト」を運営する「リアルワン株式会社」は、その「管理・評価」する取り組みに「360度評価」をおすすめします。理由は、目標を管理するだけではなく、評価によって対象者に多くの気づきを与え、従業員の成長と企業の発展を促進するからに他なりません。
360度評価は、自社で行うことも可能です。ただし、実施には多くの手間と時間、専門的なノウハウが必要になるため、自社で実施した場合、十分な効果が得られない可能性があります。
360度評価を外部の専門会社に委託すると費用がかかります。しかし、「手間・時間・ノウハウ」の問題をクリアし、十分な効果を得るためには、やはり外部のプロに委託するのがベターといえるでしょう。
リアルワンは、100万人超の利用実績を持つ調査・評価の専門会社です。信頼性の担保された「360度評価システム」で、公平かつ客観的な目標管理の体制と人事評価制度を構築し、従業員と企業の成長をサポートします。
従業員の目標設定を適切に「管理・評価」し、組織活性化を進めたいとお考えの企業様は、ぜひリアルワンの「360度評価システム」をご活用ください。

