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2018.09.26

COLUMN

【弊社アドバイザー】東出浩教先生インタビュー ~後編~

第2回 今のビジネスパーソンがどうやったら幸せに働いていけるか

 


・目次1:会社員・起業家・フリーの立場を組み合わせて働ける時代
・目次2:10000時間の法則。5~10年一つのことに打ち込めば誰でもプロに
・目次3:従業員エンゲージメントの高い会社の特徴はなにか?

 

 

 

多様な働き方ができる時代、

ビジネスパーソンの幸せはどこにあるか?

 

 

 

リアルワン:本日は、東出先生に幸せな社員のイメージやどうしたら今のビジネスマンが幸せに働いていけるかということについてお話をお聞きしたいと思っています。

 

東出:社員の幸せですね。これは本当に皆さん多分同じだと思うんですけど、人間、誰でもやらされているとつまらないじゃないですか(笑)。研究でもなんでもそうです。誰でもつまらなくなります。

 

リアルワン:そうですね。

 

東出:働いている人の視点からすれば、やりがいがあると思えるのは、「あの人が喜んでくれている」とか、自分がしていることにどのような意味があるかわかることです。それがわかればわかるほどやりがいを感じ、働いた結果としての幸福度が高くなり、パフォーマンスも上がります。ブラック企業のように「おまえこれやれ。やれなかったら怒るぞ」というよりはるかに(笑)。

 

リアルワン:自主性が発揮できるかどうかですね。

 

東出:データで見ると、怒ったり、コントロールしたりして何が起こるかというと、人間、結局、平均値までしかこない。だから平均以上の力を出してもらおうと思うときに怒っても全然だめなんです。

 

リアルワン:平均値にいかない可能性だってありますよね。

 

東出:あります。働く側が自主的に取り組んでいると思ったほうが平均以上にガーと能力が伸びます。だから、その人に本当に活躍してもらう、能力を根本から発揮してもらいたいときには、その先にモチベーションがないと無理なのです。

 

リアルワン:一般のスタッフが自主的にもうちょっと頑張ろうと思うようになれる環境には、何が必要だと思いますか?

 

東出:まず、事業の行き先、ビジョンですね。そして、成長という言葉がキーワードです。なぜなら自分が伸びていかない仕事には夢がないんです。常に成長していかなければいけないとまでは言いませんが、自分たちがしていることでお客様が喜ぶ。こうしてあげればもっと喜ぶ。お客様が満足することで自分も成長していく。社員がそのような満足感を感じ、結果的に会社も利益が出る、そして増えた利益なりが、自分が作り上げた価値の一部として所属するグループや自分へ実際に還元されている、という絵が一番、理想的です。

 

リアルワン:なるほど。ビジョン、成長、従業員満足度がキーワードですね。

 

 

 

 

■会社員・起業家・フリーの立場を組み合わせて働ける時代 


 

 

東出:今、世界の流れから言えば、働く側も、一つの会社にべたっと張りついて働く感じではなく、これをやりつつ、あっちもやってとか、いろんな仕事を同時に手がけるような人が増えていくと思います。ワークライフバランスという概念がどんどん薄くなっていく。これが良い方向に動くとすれば、金のためのつまらない仕事と、とりあえずそのバランス取るための趣味みたいにピシッと分かれるのではなく、仕事も趣味も良い意味であまり境目がなくなってくる。

 

リアルワン:確かに、そういう方向にきているかもしれません。

 

東出:エンジニアの人なんか増えているような気がします。一応自分の会社もオペレーションしていて、この会社に労力を30%ぐらい割いて、こちらに40%ぐらい割いてみたいな。忙しいから、じゃあ今こっちの会社に70%ぐらい労力を割きますとか。三つぐらい組み合わせながら働いている人がいっぱいいるじゃないですか。エンジニアだったら。

 

リアルワン:今エンジニアとして1人で食べていくのはそう困らないという人は増えていると思います。こういう時代ですしデジタルデータ扱えるスキルを持っていれば強いので。

 

東出:そんな動きが、エンジニアの世界を超えてほかの職種でも起きてくるはずなんですよね。

 

リアルワン:どちらかというと南国気質ぽい感じもしますね。この間、ベトナムに行ってきましたけど、ホーチミンとか行くとエンジニアがそこそこ働いてお金がたまると別に理由もなく辞めちゃうそうです(笑)。そしてしばらく遊んで家族と暮らして、また食べられなくなったらちょっと働く。そんな感じらしいです。

 

東出:いやそこは、日本人なんでもっとマニアックに突っ込んでいく人が増えていくと思っています(笑)。働くことも楽しいけどじゃあこの5年は何か新しいキャリアを身につけようとか。昔みたいに同じところでずっと働くことが大前提でなくなれば、働く側もよりよい職場に変われるほうがいいわけですから。だから僕は、本質的にベーシックインカムとかいいんじゃないかなと思っています。

 

リアルワン:ベーシックインカムですか?

 

東出:ベーシックインカムで最低限は食えるような仕組みにしてしまえば、ブラック企業が要らなくなるじゃないですか? 理不尽なことがあったら「納得できないので辞めさせていただきます!」みたいな感じですよ(笑)。

 

リアルワン:食べていけるからみたいな。

 

東出:そうそう。「辞めても別に食えるんだもん、ベーシックインカムで」とか。ただ、あまり手放しで賛成していないのは、一方で日本人が本当に働くのかなと?

 

リアルワン:快楽じゃないけど何か違う方向にね。

 

東出:そっちにいってしまう可能性もあるという不安はある。でも、そんな逃げ道がある人生じゃないとね。

 

リアルワン:嫌なことがあれば逃げられる(笑)。

 

東出:本当にブラックなこと、理不尽なことがあればそこから逃げられる。だって、そんな環境を個人に変えろと言っても、つらいだけじゃないですか? よく会社で「じゃあ、君が変えなきゃ」とか言う人いますけど。僕はそんな会社からは、速やかに逃げたほうがよいと思います(笑)。

 

リアルワン:いや、そのとおりです。

 

東出:だって自分1人で変える? それすごく長い道のり。とりあえず逃げて自分の居場所を、自分がいることができる場所を探したほうが、絶対いいという感じですよね。「個人の力」を否定するわけではありません。しかし、個人の潜在能力の否定から入る企業はダメですね。

 

リアルワン:日本って耐える美学みたいものがないですか?

 

東出:あるある。おかしいと思うんですよ。

 

リアルワン:先日、たまたま某IT会社の人が同じようなことを言っていました。そこのハイパフォーマーのエンジニアは普段はぼっ~としていて閃いたらガッとエンジンかかるタイプだそうですけど、やはり困難なことからは逃げるタイプだって言っていましたね。

 

東出:実は起業家なんかも、みんな厳しい道からはちょっと逃げといて、ここ1番になれそうと思ったら頑張るみたいな感じの人が多いですよ。だから、個人も、これから理想的なのは、自分の才能を生かして自分の事業もしつつ、自分のやりたいことに近い会社に入ってというスタイルでしょうね。

 

 

 

 

 

 

10000時間の法則。510年一つのことに打ち込めば、誰でもプロに


 

 

リアルワン:これからの時代は、何か一つでも自分のすごくやりたいものを見つけられると強いでしょうね。

 

東出:そう。だから、子育てなんかでも小さいときからやりたいことをどんどんやらせるべきだと思います。僕なんかも子どものころは運動好きだったので、プロ野球の選手やサッカー選手になりたいと思っていましたけど、結構早熟だったのかな? これやっても、どうせ1番になれないみたいな感じに悟って(笑)。

 

リアルワン:そんなことを。

 

東出:プロ野球選手にはちょっと無理だろうと。親は東海大相模高校がそばにあったので、あそこに入るぐらいの能力もあって本気でやるならそれでいけば? みたいな感じでしたけど。そこまで野球にのめり込めない。プロ野球選手にはなれそうもないので、違うことがいいなと思って、高校からはギターとか弾きだすじゃないですか? バンドも随分やっていましたけど、じゃあバンドでプロになるのと言われたらまた違う。プロになるとはとても思えないみたいな感じで(笑)。結局、本当に自分が本気になったのは、企業を辞めてイギリスに留学したときかな。あれが一番大きな決断だった、今思えば。

 

リアルワン:好きなことをやらせると、深くものごとを考えるようになりますよね。

 

東出:それを踏まえて言わせてもらうなら、小さいときから好きなことはさせたほうがいい。

 

リアルワン:大人になると、新しいことにチャレンジしたくても、かかる時間を考えると躊躇してしまう人も多いでしょうからね。

 

東出:でも、10000時間の法則ってご存知ですよね? 何かの分野で本当のプロレベルになるには、大体10000時間練習するとなれるんですよ。本当のトップレベルじゃないとすれば5000〜6000時間で多分いける。ミディアムクラスだったら6000時間だったかな。1日2時間ずつ勉強したら一年でまあ700時間。10年あれば7000時間勉強できるじゃないですか? つまり、誰でも510年の単位で一つのことに打ち込めば、結構な人が脱皮できるはずなんです。

 

リアルワン:やっぱり10年ぐらいですか。

 

東出:リアルワンさんが独立するためのスキルを何年で身につけたのかを、例えば6年とするじゃないですか。 6年あると一つ新しいことができるわけです。そう思うと、人生10年コースで何回でもキャリアチェンジができる。さらに時間を短縮しようと思って大学にいけば1日10時間なら2年間で到達です(笑)。

 

リアルワン:1日10時間、1年で3000~4000時間だから、そうですね。

 

東出:アメリカなんか、多分、大学生の平均年齢は24、25歳です。要はいろいろやって、やりたいことが見つかってから大学に戻ってくるのが普通なんです。僕なんかも、自分のPh.D.(博士号)のときを思い出すと1日12時間ぐらい勉強していました。2~3年だから計算すると8000時間ぐらい。一流とは言いませんけど、そこそこのレベルまでなら7000〜8000時間でいけるという感覚はありますね。

 

リアルワン:なるほど、10000時間あればいろいろできるんだ。

 

 

 

 

 

 

■従業員エンゲージメントの高い企業の特徴はなにか?


 

 

東出:それと幸せな働き方というテーマを、もうひとつリアリティある視点でみると、我々はどこまでいっても比較するじゃないですか? 自分と誰か、昔の友達とか近所の人たちと比較する。そのレファレンスのポイントより自分のほうが恵まれていると思える人は満足度が高いんだよね。

 

リアルワン:なるほど。

 

東出:絶対に自分はここというよりは、多くの人は、私のほうが、隣のあの人よりもちょっと「きれいよ」とか「幸せよ」とか(笑)。同じ高校を卒業して働いたあいつと比べると自分のほうがちょっと幸せっぽいとか、どこかで比較しつつ満足するところって人間あります。

 

リアルワン:同じ大学を卒業した十何年後の同窓会で「自分のほうがちょっと若い、収入も」と思うみたいな(笑)。

 

東出:人間、そういうのがあるんですよ。だから、特に日本の場合は、企業が働く側の不満をある程度つぶしてあげることが大切になってくるんです。働く側は、どこかと比較して自分の給料が高いとか安いとか考えるので、その比較するレベルよりもちゃんと上のレベルでなるべくたくさん払ってあげるようなことが大事です(笑)。

 

リアルワン:そこで社員の幸せ感が増すわけですね。

 

東出:例えば、この本「幸せをつむぐ会社 東出浩教(著)、大久保 秀夫(著)」に出てくる埼玉県のJ社は、プロダクト的には特別ではないけれども、こうしたらお客様が喜ぶというノウハウが、全部横展開されてみんなでシェアされている。だからもう四十何期増収増益中なんです。働いているのは高卒社員がほとんどです。でも働いている人にとっては、地元で就職したなかでは自分は最高に楽しく働いている。仕事もやりがいがあるし実は収入もみんなより高い、と満足できる。

 

リアルワン:仕事で貢献感も感じてね。

 

東出:そういうところで満足感を感じるところが人間は絶対あるので、企業側が社員の幸せを考えて、働く人たちが誰とどんなふうに比べながら自分の幸福度を測っているかをイメージすることが大切だと思います。とはいえ、この本に紹介されているのは、給与が高い会社ばかりかといえばそうではないです。どちらかというと低めのところばかりです。でも、結局、あまり不満がなくて働きやすくて、他の企業や自分で独立する夢と比較しても、会社のほうが働く場所としていいかな、という判断を社員ができている。いろいろ比べながらもね(笑)。

 

リアルワン:確かに比べますよね(笑)。

 

東出:日本の場合、教育も含めてですけど、自分は個人ですごいから頑張るという感じではないですよね。全部グループで頑張る。だから極端な話、みんながうちの会社はこんな感じで全員が信頼しあえているコミュニティだと思えれば「周りの人から見て恥ずかしくないように働かなきゃ」と思う状況が出てきます。そうするとマネージャーがコントロールする必要もないですよね。

 

リアルワン:管理の必要なくなりますね。また、そういう人に自然に変わっていくと思うんですよね。

 

東出:コミュニティのなかで居心地のいい場所もあって、活躍できる居場所もあるとすれば、マネジメントがいらなくなる。結局、企業が社員を一人の人間として尊重して、幸福度を考えてあげることが、社員の創造性を引き出すことにつながるんです。

 

 

 

 

 


東出 浩教〈早稲田大学ビジネススクール(商学研究科)教授〉

Hironori Higashide

 

1985年、慶應義塾大学経済学部卒業。同年、鹿島建設入社。建設JVのマネジメントや欧州各国における不動産投資の実務に従事。

1991年、ロンドン大学インペリアルカレッジ修士課程修了(MBA)。

2000年、同カレッジよりEntrepreneurshipを専攻した日本初のPh.Dを授与される。

1998年、早稲田大学ビジネススクール講師。2002年、同ビジネススクール助教授。

2006年より現職。

 

早稲田大学

https://www.waseda.jp/fcom/wbs/other/1098

早稲田大学アントレプレヌール研究会

http://www.weru.co.jp/

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