エンゲージメントサーベイの目的とは？効果やメリット・デメリットを解説

生産性向上を図る上で実施しておきたいのが、従業員の会社への関心度合いやモチベーションといった指標です。正しく従業員の組織への向き合い方を把握しておくことで、生産性向上や働き方改革を効果的に進めることができます。

この記事では、そんな従業員の実情を図る上で有効な施策とされる、エンゲージメントサーベイとはどのようなものかについて、具体的な目的やメリットなどに触れながら解説します。

この記事を監修した人

青山 愼

立命館大学経済学部卒業。早稲田大学ビジネススクールでMBAを取得。在学中に、「組織学習」や「個人の知の獲得プロセス」に関する研究を経て、リアルワン株式会社を設立。企業や組織が実施する各種サーベイ（従業員満足度調査・360度評価・エンゲージメントサーベイ等）をサポートする専門家として活動。現在は累計利用者数が100万人を超え、多くの企業や組織の成長に携わる。

エンゲージメントサーベイとは

エンゲージメントサーベイは、従業員が業務や会社の活動そのものに対して、行動や思考の面などからどれくらい積極的に関与できているかを調べる取り組みです。

やりがいやモチベーションがどれくらい従業員の中にあるのかということは、外側から確認するのも限界があります。そこでエンゲージメントサーベイという形で調査を実施することで、従業員の関与度合いを数値化し、会社に対するエンゲージメントの現状とゴールを明らかにして、改善のための指針を立てることができます。

エンゲージメントサーベイの目的

エンゲージメントサーベイを実施する目的を整理すると、

• エンゲージメントの状況把握
• 対処すべき課題の優先順序づけ

の2つが挙げられます。

エンゲージメントの現状把握は、これからどんな課題に対処しなければならないのか、ということを明らかにする上で重要な取り組みです。エンゲージメントサーベイを通じて現状の課題を具体的に把握するとともに、ゴールも数値で設定できるようになります。

また、対処すべき課題は必ずしも一つであるとは限りません。複数の問題が複合的に会社の生産性向上を阻害しているケースは珍しくなく、緊急性の高さは状況によって異なります。

エンゲージメントサーベイは、このように課題が複数あることを明らかにしてくれるのに加え、どんな課題から取り組めば良いのか、ということも伝えてくれます。解決すべき順序を明らかにしておくと、施策を実施した際の効果を早期に得られる確度が高まり、従業員のエンゲージメントを高めやすくなります。

エンゲージメントサーベイの効果・メリット

エンゲージメントサーベイを行うことで、企業は具体的に以下のようなメリットを期待することができます。

生産性の向上

エンゲージメントサーベイの目的は、エンゲージメント向上における課題を把握し、改善するためのアプローチを検討することにあります。エンゲージメントサーベイが上手くいき、調査結果を施策に反映できれば、従業員のエンゲージメントを高めて生産性を高めることが可能です。

エンゲージメントサーベイが必ずしも直接的に従業員のモチベーションを高めてくれるわけではありませんが、がむしゃらに施策を投下するよりも、はるかに計画的な施策の実施を促せます。

顧客満足度の改善

高いモチベーションで業務に携わる従業員が増えると、それだけ顧客に提供するサービスの品質が高まったり、業務改善を後押ししてより高度でクリエイティブな業務遂行を後押ししたりできます。

結果、従来よりも高い顧客満足度を実現して、顧客の定着やサービス離れの回避を実現できるでしょう。

優秀人材の確保の促進

エンゲージメントの改善により、従業員と組織との関係値が高く、熱意をもって業務に打ち込める企業であることが社会的に認められれば、より良い環境の職場を求める優秀な人材に関心を持ってもらいやすくなります。

人材不足が各社で深刻化する中、エンゲージメントサーベイが他社との人材確保における差別化のきっかけになることもあるでしょう。

エンゲージメントサーベイのデメリット

エンゲージメントサーベイは魅力的な施策ですが、一方で注意すべきデメリットもあります。

従業員の回答負担が発生する

まず、エンゲージメントサーベイは従業員にコア業務とは別に対応してもらう必要があるため、実施の際は従業員の理解を得る必要があります。

従業員が消極的であるにも関わらず実施すると、かえってエンゲージメントを低下させたり、正確な回答が得られなかったりすることもあります。事前に調査の重要性や目的を丁寧に説明し、一定の時間を割いてもらえるよう工夫が必要です。

データ分析のノウハウ・ツールが必要

エンゲージメントサーベイはただ実施するだけでなく、得られた調査結果から課題を探すノウハウやツールが必要です。データサイエンスのスキル、あるいは分析に役立つ専用のサービスの利用が求められるため、その準備もしておかなければなりません。

実施コストが発生する

エンゲージメントサーベイは、調査のためのツールを導入したり、調査のためのリソースを確保したりとコストのかかる取り組みです。あらかじめどれくらいのコストがかかるのかを計算した上で、費用対効果の高いアプローチで調査を行いましょう。

まとめ

この記事では、エンゲージメントサーベイの目的や実施のメリットについて解説しました。施策の実施によって得られるメリットは大きなものが期待できる反面、実際に行う場合は相応のリソースやスキルが必要になるので、場合によっては専門の会社に委託することも検討すると良いでしょう。

当社リアルワン株式会社では、実績豊富なエキスパートによるエンゲージメントサーベイを実施し、会社の課題解決のサポートを提供しております。エンゲージメントサーベイの代行、及び分析を実行し、組織のパフォーマンス改善を実現可能です。こちらのページから、より詳しい案内をご覧いただけます。

自社だけで実施する余裕がない、ノウハウがなく成功するか不安があるという問題を抱えている場合は、お気軽にご相談ください。