管理職の育成方法完全ガイド!役割・スキル・課題解決ステップを解説

組織を持続的に成長させる上で、「管理職」は必要不可欠の存在です。しかし、優秀なプレイヤーが必ずしも良い管理職になるとは限らず、多くの企業が「管理職をどう育てるのか」という課題に直面しています。

そこで今回は、「管理職の育成方法完全ガイド」として管理職の育て方を深掘り。企業が育成に取り組むべき理由や管理職に求められる役割とスキル、育成における課題、さらにその課題を解決する5つのステップを解説します。

【本記事で得られる情報】

・企業が管理職の育成に取り組むべき理由
・管理職に求められる役割
・管理職に必要な「スキル・能力」
・管理職育成における課題
・管理職を育てる課題解決の5ステップ

この記事を監修した人
青山 愼
青山 愼

立命館大学経済学部卒業。早稲田大学ビジネススクールでMBAを取得。在学中に、「組織学習」や「個人の知の獲得プロセス」に関する研究を経て、リアルワン株式会社を設立。企業や組織が実施する各種サーベイ(従業員満足度調査・360度評価・エンゲージメントサーベイ等)をサポートする専門家として活動。現在は累計利用者数が100万人を超え、多くの企業や組織の成長に携わる。

目次

管理職を育成する重要性~企業が取り組むべき理由とは?

まずは、企業が管理職の育成に取り組むべき理由を見ていきましょう。

【企業が管理職の育成に取り組むべき理由】

・経営方針を浸透させ組織運営を円滑にする
・組織の生産性と業績を向上させる
・人材の育成と定着を促進する
・人的資本経営を推進する

詳しく解説します。

経営方針を浸透させ組織運営を円滑にする

第一の理由は、経営方針を浸透させ組織運営を円滑にするためです。経営層の意図、そして会社の方針を現場に伝え浸透させるのは管理職です。メッセージを発しても、伝え方によっては理解が深まらず、考えを共有し前進することができません。

こういった事態を回避するためにも、会社の方向性を理解し、現場に浸透させることができる管理職の育成が求められています。

組織の生産性と業績を向上させる

組織の生産性と業績を向上させるためにも、管理職の育成が必要です。管理職の「仕事の質」は、チームの成果に直結します。適切な目標設定や進捗管理、課題の早期発見など、管理職の仕事が組織の生産性と業績を左右するのです。

このように、生産性や業績を向上させ組織が持続的に成長を続けるためにも、管理職の育成が不可欠になっています。

人材の育成と定着を促進する

人材の育成と定着を促進する上でも、管理職の育成が欠かせません。質の高いマネジメントは、部下の成長意欲を高め、モチベーションや働きがいの向上につながるでしょう。逆に言うと、管理職のスキル不足は、部下の意識低下や不満を招き、離職につながる可能性があります。

管理職の育成は、部下の成長と定着を促進し、組織の活性化につながる重要な取り組みと言えるのです。

人的資本経営を推進する

人的資本経営の促進は、今日的なテーマであり、その中核を担うのが管理職になります。これも、管理職の育成に取り組むべき理由でしょう。

「部下をどう育てているのか」「どんな環境で働いているのか」が企業価値として問われる時代。人材育成やキャリア形成支援、働きやすい環境整備など、管理職は人的資本経営の上で重要な役割を担っています。管理職の育成は、企業価値の向上につながる取り組みになっているのです。

関連記事:人的資本投資が注目される背景~なぜ今、重要なのか?

管理職に求められる役割

次に、管理職に求められる役割を見ていきましょう。

【管理職に求められる役割】

・組織の運営と意思決定
・チームのマネジメントと目標達成
・部下の「評価・育成・キャリア支援」
・他部署との連携と調整
・リスク管理とコンプライアンス遵守

ひとつずつ解説します。

組織の運営と意思決定

管理職に求められる役割として、組織の運営と意思決定があげられます。管理職は、現場の状況を見ながら意思決定を行い、円滑な運営をリードする存在です。業務における「優先順位・課題発見・リソースの確保」など、「指揮官」としての役割が求められます

チームのマネジメントと目標達成

チームのマネジメントと目標達成は、管理職の重要な役割です。部下の特性や適性を把握し、適材適所の人材配置を行ったり、進捗状況を管理しチームを成果に導いたり。管理職は、マネジメントと目標達成という大きな役割が求められます。

部下の「評価・育成・キャリア支援」

部下の「評価・育成・キャリア支援」も、管理職に求められる役割です。誰もが納得する評価を行い、質の高い人材育成で成長を支える。キャリアの中長期的な支援は、定着率を高める上でも重要です。

関連記事:定着率とは?計算方法や上げる方法・高い会社の特徴と向上施策を解説

他部署との連携と調整

他部署との連携と調整を行うのも管理職の役割です。企業活動は、様々な部署が連携することで成り立っています。情報共有はもちろん、部門横断型プロジェクトの推進や課題解決に向けた調整など、部門間の「ハブ」となり事業運営の円滑化を図ります

リスク管理とコンプライアンス遵守

管理職は、健全な組織運営を維持するために、リスク管理とコンプライアンス遵守を徹底します。リスクをいち早く発見しトラブルを未然に防いだり、問題が発生した場合は迅速かつ適切に対応したり。さらに、関係法令や社内規程を正しく理解し自ら模範を示す。リスク管理とコンプライアンス遵守は、管理職の大切な役割です。

管理職に必要なスキル・能力

管理職には、どのようなスキルや能力が求められるのでしょうか。ここでは、管理職に必要なスキル・能力を解説します。

【管理職に必要なスキル・能力】

・テクニカルスキル(業務知識・専門性)
・ヒューマンスキル(部下との信頼構築・コミュニケーション)
・コンセプチュアルスキル(課題解決力・戦略的思考)
・マネジメントスキル(計画・進捗管理・リーダーシップ)

詳しく見ていきましょう。

テクニカルスキル(業務知識・専門性)

テクニカルスキルとは、業務に関する知識や専門性のことです。深い知識や高い専門性がなければ、適切な判断、そして部下への指示はできません。テクニカルスキルは、チームの成果を最大化するベースとなるスキルなのです。

ヒューマンスキル(部下との信頼構築・コミュニケーション)

ヒューマンスキルとは、部下との信頼関係を築き、円滑なコミュニケーションを行うスキルのことです。傾聴や1on1ミーティング、フィードバックによって部下との信頼関係、そして心理的安全性を高め、主体的な行動を引き出す能力が求められます。

コンセプチュアルスキル(課題解決力・戦略的思考)

コンセプチュアルスキルとは、複雑な状況や課題を整理して、取るべき戦略を構想するスキルのことです。現場の課題を組織全体の戦略と関連づけ、企業の価値観やビジョンを具体的な施策に落とし込む能力が求められます。

マネジメントスキル(計画・進捗管理・リーダーシップ)

マネジメントスキルとは、計画を立て、進捗を管理し、チームをリードするスキルのことです。意識すべきは、数値目標の達成だけではなく、部下のモチベーションを高める人材マネジメントが重要である点。数字の管理と、人を動かすリーダーシップの両輪が求められます。

管理職を育てる際の課題

管理職を育てる際には、様々な課題が生じます。ここでは、その課題を具体的に見ていきましょう。

【管理職を育てる際の課題】

・必要なスキルを学ぶ時間が取れない
・マネジメントの経験不足
・目指すべき管理職像が不明確
・育成プログラムや研修制度が整っていない
・プレイングマネージャー化で業務が圧迫される

詳しく解説します。

必要なスキルを学ぶ時間が取れない

課題のひとつに、必要なスキルを学ぶ時間が取れないことがあります。日々の業務に追われ、自分の学習時間を確保できない管理職が少なくありません。「やらなければならない」でも「時間がない」。この現実が、育成を妨げます。

マネジメントの経験不足

そもそも、マネジメントの経験不足という課題があります。管理職に昇進したからといって、すぐにマネジメントができる訳ではありません。管理職にとって欠かせないマネジメント経験をいかに積んでいくのか。育成における大きな課題です。

目指すべき管理職像が不明確

目指すべき管理職像が不明確なら、育成の方向性は定まらないでしょう。会社が「どんな管理職を求めているのか」、明確でなければ何を学べばいいか分からず、育成が進まない事態を招いてしまいます。

育成プログラムや研修制度が整っていない

育成プログラムや研修制度が整っていないことも大きな課題です。体系的な育成制度がなければ、場当たり的な育成になり、知識やスキルが身につかないまま現場を任されるリスクが生じます。

プレイングマネージャー化で業務が圧迫される

プレイングマネージャー化で業務が圧迫されることも大きな課題でしょう。自分の業務をこなしながら管理職業務を行うプレイングマネージャーは、負担が大きく育成を阻む要因になっています。

管理職の育て方~課題を解決する5つのステップ

では、管理職の育て方「課題を解決する5つのステップ」を解説します。

【管理職を育成する課題解決の5ステップ】

ステップ1:管理職の現状を可視化する
ステップ2:自社が求める管理職像を定義する
ステップ3:研修と実践でスキルを高める
ステップ4:評価とフィードバックでPDCAサイクルを回す
ステップ5:継続的なフォローアップを行う

各ステップを詳しく見ていきましょう。

ステップ1:管理職の現状を可視化する

まず重要なことは、管理職の現状を可視化することです。360度評価を中心とした「組織サーベイ」を実施し、管理職の「強み・弱み」「課題」を洗い出しますエンゲージメントサーベイ従業員満足度調査(ES調査)を組み合わせることで、管理職を含む組織全体の現状を立体的に可視化することも可能です。

関連記事:組織サーベイ(360度評価・エンゲージメントサーベイ・従業員満足度調査)とは?

ステップ2:自社が求める管理職像を定義する

現状を可視化したら、自社が求める管理職像を定義します。「役割・行動方針・権限移譲の範囲・担当領域」などを明文化。育成の方向性を共有します。管理職像を定義し明文化することで、プレイングマネージャー化で業務が圧迫される課題についても、負荷の適正化が期待できます。

ステップ3:研修と実践でスキルを高める

次のステップは、研修と実践でスキルを高めることです。研修で知識をインプットしロールプレイを実施。その後はOJTを繰り返し、実務経験を積み上げます。育成プログラムや研修制度は、次の流れで整備します。

1.必要なスキルの棚卸し
自社の管理職に求めるスキルを洗い出し、「何を伸ばすべきか」を明確にする。

2.育成ステップの設計
「研修 → OJT → フィードバック」といった形で、段階的に学べるステップを作る。

3.評価方法の設定
育成結果を確認するため、1on1ミーティングなどで「成長の評価」を仕組化する。

以上を体系的につなぎ合わせ、育成システムを制度として整備します。「学ぶ時間が取れない」という課題には、マイクロラーニング(5分程度の短時間学習)やOJL(オン・ザ・ジョブ・ラーニング:業務との連動学習)などで対応します。必要に応じて、外部研修やオンライン講座を取り入れるのも効果的です。

ステップ4:評価とフィードバックでPDCAサイクルを回す

次は、評価とフィードバックでPDCAサイクルを回す段階です。適切な評価と具体的なフィードバックを連動させ、改善点を明確化。修正を加え、PDCAサイクルを回しながら成長を促進します。

ステップ5:継続的なフォローアップを行う

単発的な育成では、大きな行動変容は起こりません。継続的にフォローアップを行うことが重要です。定期的な1on1ミーティング、フォローアップ研修、メンタリング(経験豊富なメンターによる支援)など、継続的なフォローアップが知識やスキルを定着させ、行動変容を促します。

最後に

管理職は、企業の成長を左右する重要な役割を担っています。その管理職のパフォーマンスを最大化するためにも、質の高い育成方法が求められています。それにはまず、管理職の現状を把握することが必須。そこで効果を発揮するのが、本文でも紹介した「360度評価です。

360度評価は、自社で実施することも不可能ではありません。とは言え、「導入・運用」には手間と時間、専門的なノウハウが必要になり、自社で行った場合は十分な結果を得られない可能性が高くなります

360度評価を専門会社に委託すると、費用が発生するのは事実です。しかし、「手間・時間・ノウハウ」といった問題をクリアし、期待する結果を得るためにも専門会社に委託するのがベターな選択といえます。

リアルワン株式会社は、調査・評価の専門会社です。信頼性の担保された「360度評価システム」で、管理職の現状を可視化し育成環境の整備をサポート。ご希望に応じて、エンゲージメントサーベイ」「従業員満足度(ES調査)」にも対応します。

管理職の現状を可視化し、育成環境を整備したいとお考えの企業様は、100万人超の利用実績を持つリアルワンの「360度評価システムをぜひご活用ください。

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