全社員参加型のES調査結果報告会を起点に社員の自主性を引き出す。開催までのプロセスと成果とは - 従業員満足度調査・360度評価のリアルワン株式会社 - 人と組織の成長を支援 - 全社員参加型のES調査結果報告会を起点に社員の自主性を引き出す。開催までのプロセスと成果とは

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2023.02.01

従業員満足度調査(ES調査)

全社員参加型のES調査結果報告会を起点に社員の自主性を引き出す。開催までのプロセスと成果とは

株式会社エス・ジー様は、Web業務システム・通信システム・C/Sシステム・医療関連システム・販促システムの開発など、幅広い分野で時代のニーズに応える先端技術を提供している開発会社です。同社の基本理念は「顧客と社員に信頼される企業」。1973年の設立以来、地道に磨き続けてきた確かな技術と社員の自主性が育つ自由な企業風土が受け継がれ、採用難が続く時代にあっても安定的に新卒採用に成功し、成長の基盤を築いています。

同社ではリアルワンの従業員満足度調査(ES調査)を活用して、従業員の声を組織改善に役立てています。事業部横断のES調査チームを発足し、2022年6月に全社員参加型のES調査結果報告会を開催しました。一般的にES調査結果は役職者のみ、または一部の情報のみを開示するケースが多い中で、全社員に向けて自社のありのままの現状を伝えるという取り組みを実現し、多くの成果を得られています。

ES調査結果報告会を開催した経緯や準備のプロセス、得られた成果、その後に実施した改善方針検討会の内容などを代表取締役 中野 秀樹様、ES調査チームの皆様にお話を伺いました。

<インタビュイー>
株式会社エス・ジー
代表取締役 中野 秀樹様
ソフトウェア第一事業部 グループマネージャー 稲本 弘樹様
ソフトウェア第三事業部 グループマネージャー 大久保 智寛様
ソフトウェア第三事業部 グループマネージャー 村木 裕介様
ソフトウェア第五事業部 ユニットリーダー 山崎 琢也様
(以下、敬称略)

<インタビュアー>
リアルワン株式会社
セールスチーム 荒木 美佐緒
コンテンツ企画担当 門脇 麗佳

<今回実施した全社員向けES調査結果報告会の概要>
●実施方法:対面とオンラインのハイブリット開催
●登壇者:リアルワン株式会社 代表取締役 青山 愼
●アジェンダ:
 ・2022年度従業員満足度調査結果報告
 ・質疑応答
●ポイント:
 ・外部調査機関であるリアルワンからの結果説明により、社員の納得度がUP。
 ・専門的な考察を加えた説明によって、より深い読み解きを実現。
 ・オンライン参加組には会場参加者と同等の環境を用意し、臨場感を感じられるように工夫した。

全社員参加型のES調査結果報告会を開催した経緯について

~包み隠さず情報をオープンにすることが社員の納得感醸成につながる~

全社員に向けてES調査結果報告会を実施しようと思った経緯を教えていただけますか?

稲本

弊社には部署横断の有志メンバーで構成されているES調査チームがあります。従業員満足度調査を組織改善につなげるためにはどうすればよいのかという議論の中で、まずは全社員にありのままの現状を知ってもらおうという方向性で満場一致しました。改善には社員一人ひとりの協力が必要不可欠であり、情報を包み隠さずオープンにすることが説得力や透明性を生み、社員の納得感醸成につながると考えたからです。

同時に、弊社の社員の傾向としてマンネリ化を嫌がるところがあるので、「ES調査チームが何かやろうとしているぞ」という新しい風を入れたいという思いもありました。社員が調査結果を身近に感じることで、当事者意識がより一層深まり、改善活動や次回のES調査にも積極的に参加する、といった好循環を期待して実施することにしました。

ES調査チームとしても、今回のES調査結果報告会はとても前のめりな状態でスタートを切りました。

(株式会社エス・ジー ソフトウェア第一事業部グループマネージャー 稲本 弘樹氏)

 

実施にあたって不安や懸念点はありましたか? また、それに対して、どのような事前対策を取られたのでしょうか。

中野

当初は、どれくらいの社員がES調査結果報告会に参加してくれるのかなという思いは持っていました。結果的には、コロナ禍でリモート環境ができていたこともあり、リモートでの参加をOKとしたことが高い出席率につながったように思います。

村木

ES調査結果報告会の出席率は約9割で、184名が参加という結果でした。200人ほどの会社で、この数値はすごいと思っています。

山崎

社員全員を会場に集める開催方法であれば、出席率がもっと低かったかもしれません。事前対策としては、今回のES調査結果報告会は任意参加ではなく、業務として全員参加であることを会社側から発信しています。どうしても自由参加と勘違いされがちなので、業務の一環である点はメールでも強調しました。

大久保

社員は時間を割いて調査に回答してくれていますから、答えっぱなしではなく、やはり結果を知ってほしいという思いがありました。とはいえ、社員全員にES調査結果報告会の目的や参加する意義を周知するのはなかなか難しいことなので、各部署のリーダークラスからも直接話してもらうよう根回しをしました。そうした協力体制もあって、高い出席率になったのだと思っています。

(左/株式会社エス・ジー 代表取締役 中野 秀樹氏 右/ソフトウェア第五事業部 ユニットリーダー 山崎 琢也氏)

ES調査結果報告会の準備・プロセスについて

~各部署から有志メンバーを募り「ES調査結果報告会→改善方針検討会→アクション」の全体ストーリーを設計~

ES調査結果報告会を開催するにあたって、どのようなプロセスで進められたのでしょうか。

村木

まずはES調査チームの総意として全社員参加型のES調査結果報告会を実施したいことを経営陣に伝え、コンセンサスを得るところからスタートしました。以前に中野が「社員には包み隠さずに情報を開示していきたい」ということを話していたので反対されることはないと思っていましたが、予想通り満場一致で決定しました。

続いて、ES調査チーム内で実行方法を検討しました。全体の流れとして、ES調査結果報告会の後に改善方針検討会を実施してアクションにつなげていくことを想定していたので、改善方針検討会に参加してくれる有志メンバーを決定するのが次のステップです。

メンバーの選任では、できるだけ偏りがないように各事業部から1~2名ほど出してもらいました。有志メンバーに向けては、ES調査結果報告会を実施する前に全体のストーリーやスケジュールなどをインプットする場を設けています。

稲本

ES調査結果報告会の準備に際してはアジェンダや時間配分、役割分担など決めておかなくてはならない事項がたくさんありました。くわえて、今回はオンライン・オフラインのハイブリッド開催としたので、会場設備やWEB会議システムなどのインフラ面でも調整すべきことがあり、そうした技術に慣れている部署や総務部にも手伝ってもらいながら進めていきました。

(株式会社エス・ジー ソフトウェア第三事業部 グループマネージャー 村木 裕介氏)

改善方針検討会は、どのようなプロセスで進めたのでしょうか。

稲本

改善方針検討会は有志メンバーを集めて4回実施しました。大きく3つのプロセスを踏んでいます。

まずはリアルワンさんからいただいた調査結果をメンバーでさらに深掘りして、弊社の強み・弱みを明らかにするということをやりました。次に、会社がもっと良くなるために改善すべきこと、最低限ボトムアップすべきことの観点から優先順位をつけて絞り込んでいきました。最後は絞り込んだ内容を改善方針案として仕上げ、経営陣に上申するというプロセスです。

特に気を配ったのは、検討する際にメンバーの主観とならないようにすることと、社員が納得できる方法を用いて納得できる解を導くということ。テーマごとに即した分析手法や検討方法を模索しました。

ES調査結果報告会を開催して良かった点・苦労した点について

~9割以上の社員が「次回もまた参加したい」と回答~

今回、ES調査結果報告会を実施してみて良かったと思う点を教えてください。

大久保

ES調査結果報告会の実施後に参加者アンケートを取ったのですが、9割以上の社員が「次回があったら、また参加したい」と回答してくれました。この結果を見て、ES調査チーム全員がホッと胸をなでおろしましたね。

また、リアルワンさんと弊社社員の質疑応答コーナーは時間を多めに割いたのですが、時間が足りないほど多くの質疑が行われたのをみて、本当に実施して良かったと思いました。また、ES調査結果報告会終了後に後輩から直接言われたのは、「自分には全然なかった発想だった。そんな風に会社を良くしようと考えている先輩社員がたくさんいることに驚いたし、感動した」という言葉。これを聞いて、全社員向けに実施した意義があったと実感しました。

村木

今回のES調査結果報告会に対して、社員が面白味を感じてくれたことがアンケートからもわかりました。また、第三者であるリアルワンさんからの説明だったことが良かったという意見も多数ありました。

専門家である青山さんからの結果報告ということで、スタート段階から「ぜひ話を聞きたい」という雰囲気に包まれていたと個人的には感じており、これも好評を得られた要因として大きいと思っています。

稲本

改善方針検討会まで含めた感想ですが、今回は有志メンバーを募ったことで、ES調査チームがどんな思いを持って、実際に何をしているのかが社内に伝播される効果もあったように思います。全てが好循環になっていくにはまだまだ時間と労力が必要ですが、今後も含めて良い効果が現れるだろうと思っています。

(株式会社エス・ジー ソフトウェア第三事業部 グループマネージャー 大久保 智寛氏)

開催にあたって苦労したのはどのような点でしょうか。

大久保

ハイブリッド開催で細心の注意を払ったのは、会場の様子や空気感をリモートで参加している社員にもリアルに届けられるようにすることです。リモート参加者が置き去りにされている感覚にならないよう、適宜、会場全体を映したり登壇者を映したりといった工夫をしました。撮影する角度などは、知見を持っている部署と協力しながら事前に検討しています。

村木

質疑応答コーナーでは、会場を見る人、リモート側を見る人、質問をピックアップする人と3人体制にしてバランスよく質問に回答できるようにしました。あらゆる場面のシミュレーションをして抜け漏れや混乱がないように計画を練りました。

稲本

質問が出なかった場合のプランBも用意していましたが、リモートで参加したメンバーからも質問がたくさん出たので使わずに済みました。準備は大変でしたが、結果として理想的な形になったと思っています。

今回、ES調査結果報告会を実施して、会社・組織として変化してきた点や成果を感じる点はありますか。

大久保

改善方針検討会に参加した有志メンバーにも最後にアンケートを取ったのですが、「今まで見えていなかったことが見えた」「他事業部の考えを知る機会になった」「ESを自分事として捉えるようになった」「自分の行動で変えられることがあることがわかった」など、ポジティブな意見が多数寄せられました。

自分事として捉えられるような土壌を作りたいという思いから有志メンバーを募ったので、これを実現できたことは大きな成果だと思っています。

ES調査結果報告会の成功要因について

~社外の専門家からの結果報告によって情報の透明性を担保できた~

今回のES調査結果報告会は実りの大きい場だったと皆様のお話から伝わってきましたが、成功要因はどのような点だと思いますか。

村木

中野をはじめとする経営陣が積極的に協力してくれたこと、また、リアルワンさんが弊社の思いや要望をしっかり汲み取ってサポートしてくれたことが成功ポイントとして大きいと思っています。初めての取り組みでしたが、リアルワンさんに相談すればきっと形になると思っていましたし、作り上げていくプロセスを一緒にやっていただき、本当に感謝しています。

また、役割分担ができていないと、セッションの最中にイレギュラーなケースが起きた場合に対応できなかったりしてゴタゴタするということを経験上知っていました。ですので、時間単位で誰が何をするのかを事前に全部決めていたのですが、この点もスムーズに進められた要素かなと。

山崎

情報の透明性を担保するという点では、結果報告をリアルワンさんにやってもらったことが成功要因として大きいと感じています。社員が報告すると、「会社に都合が悪いことは隠されているのでは?」という心理がどうしても働きやすくなるので、これを払拭する意味でも、社外の専門家から「悪いところは悪い」とちゃんと言ってもらえたのがとても良かったです。

今回の取り組みを一緒にやらせていただき、貴社では自発的に考えて行動される社員が多いとあらためて実感しました。そうした組織風土が形成されている点も成功要因の一つになっている気がします。

稲本

「これをやりたい、こうしていきたい」という意見を出しやすい雰囲気がある会社なので、自主的に動きたい人間にとって、とても良い環境があると思っています。

山崎

意見を出しても却下されるというような組織風土ではないですし、中野も「面白いね、やってみよう」という姿勢で向き合ってくれます。それが自信になって、次の行動につながっていくのだと思います。

中野

弊社は設立当初から社長も新入社員も一人の社員と考え、それぞれの自主性を重んじることを大切にしてきた会社です。それが現在に至っても組織風土として浸透しています。景気の良し悪しに関わらずに毎年一定数の社員を採用し続けてきたので、年代構成の偏りが少なく、自由な発想で挑戦するという自主性が各年代に受け継がれてきました。

私が入社したときは十数名の会社だったので、社長との距離が近くて一緒に遊びにいく機会も多くありました。今は人数が増えて全員と関わることがなかなか難しくなっていますが、懇親会や同好会など社員とコミュニケーションできる場にはできるだけ参加したいと思っています。

弊社には様々な同好会があるのですが、部署や年次を超えて様々な社員と交流できる場を作りたいという思いを持っています。一方で、そうした場に参加していない社員とのコミュニケーションが希薄にならないようにしなければならないという課題感も持っています。

(左/リアルワン株式会社 セールスチーム 荒木 美佐緒 右/コンテンツ企画担当 門脇 麗佳)

今後のES調査に向けて

~次回開催時は若手社員の有志メンバーも募って新たな視点を取り入れたい~

今後も全社員参加型のES調査結果報告会を実施したいご意向ですか? また、次回はこんな点を改善したいなどのお考えを教えてください。

稲本

9割を超える社員から「また開催してほしい」という声が上がっているので、引き続き実施していきたい意向です。ただし、マンネリ化しないよう、次回開催時は今回の内容にプラスして新しい要素を取り入れられないかという点が議論のポイントになると思います。

山崎

改善方針検討会は有志メンバーがたくさん来てくれたので実りの多い場となりましたが、一方で多くのリソースを割いたため、もう少しスマート化したほうがよいだろうという課題感もあります。この点は次回の検討事項の一つです。

また、今回の有志メンバーはリーダークラスが集まってくれましたが、次は若手社員にも積極的に参加してほしいという思いを持っています。若手ならではの視点で新しい改善案が出てきたら、それも面白いのかなと。

今回のエス・ジー様の取り組みを参考にしたい企業様も多いと思います。検討される企業様に向けて、ぜひメッセージをお願いします。

稲本

今回のES調査結果報告会の結果を踏まえた純粋な感想として、専門家であるリアルワンさんから結果報告するという形をとったこと、全社員参加型にしたことが社員の信頼につながったと実感しています。準備段階では苦労する点もありましたが、その労力に対して余りある成果を得られたと感じていますし、社員から好評の声をもらえたことはES調査チームの大きな励みになりました。

ES調査はしたものの、次のアクションにつなげるのが難しいと感じている企業様は少なくないと思います。弊社の事例が参考になりましたら幸いです。

最後に、中野様から社員に向けてメッセージをお願いします。

中野

今回の取り組みで、社員の声が聞けたことは非常に良かったと思っています。改善方針検討会から挙げられた改善方針案についても、随分と検討・精査されたことがわかる内容と受け止めました。ES調査チームをはじめ、期待以上の動きで成果につなげてくれていることに大変感謝しています。

弊社は設立から50年経ちますが、時代とともに様々な技術が刷新されており、業務内容も変化を続けています。新しい技術を積極的に吸収しながら、今後50年、100年と継続的に成長を遂げられる会社となるため、全社員が成長を実感でき、それを喜べる会社にしていきたいと思っています。

 

株式会社エス・ジー

業種:システム開発 クラウドソリューション事業

従業員数:234名 (2022年4月時点)

サービス名:従業員満足度調査

WEBサイト:https://www.sgnet.co.jp/

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